借金に苦しむ人々を救済する“夜逃げ屋”の活躍を描く社会派コメディ。

夜逃げ屋本舗

1992  日本

106分  カラー



<<解説>>

実在する夜逃げ屋にヒントを得て、中村雅俊主演でコミカライズした作品。借金にあえぐ債務者を合法的に逃がす夜逃げ屋と、債務者に逃げられた金融業者の間の攻防を中心にスリリングに描く。“夜逃げ”という暗く湿ったイメージのものを題材にしてはいるが、大胆な夜逃げのテクニックの見せ方や、夜逃げ屋の個性的な面々の紹介など、娯楽性十分で、往年ハリウッドの“プロフェッショナルもの”のパロディといった趣のある痛快作だ。
金を貸す方が悪いのか、返さないほうが悪いのか。勧善懲悪では割り切れないあたりが社会派の所以なのだが、あまり辛気臭いところは見せず、夜逃げ屋と金融業者のどちらもが、善悪関係なしに自らの仕事を完遂することに懸けて戦い抜く様を、実に気持ちよく見せている。誠実さが売りの中村が裏家業的な役をスマートに演じているところが格好良く、彼のハマり役に。劇場版の続編が二作作られた後、テレビドラマ化された。



<<ストーリー>>

源氏を代表とする“ミッドナイトラン”社は、借金苦の人々を合法的に夜逃げさせるプロ集団である。源氏らは自らの仕事に絶対の自信を持っていたが、逃がした顧客が次々と債権者に発見されてしまうという事態が起きた。居場所がばれた顧客たちは、すべて同じ信販会社、大帝都信販から金を借りていた。大帝都信販の女部長、芙美子は独自のネットワークを使い、夜逃げした債務者達を追跡していたのだ。
ある日、源氏は、高利貸しでしのいでいる暴力団に拉致されてしまった。その暴力団が、ミッドナイトランの逃がした債務者に金を貸していたため、逆恨みを買ったのだ。だが、源氏は、組長の浜崎を夜逃げさせることを約束させられると、すぐ釈放された。浜崎は芙美子の信販会社に莫大な借金を作っていたのだ……。



<<キャスト>>

[源氏雅彦]
中村雅俊

[相沢康子]
高木美保

[野口浩介]
益岡徹

[新藤恭]
榊原利彦

[藤堂綾乃]
石野陽子

[財前徳郎]
斎藤晴彦

[玉本勝利]
蛭子能収

[玉本豊子]
高橋ひとみ

[田原信夫]
石原良純

[永島鉄造]
レオナルド熊

[永島薫]
菊池健一郎

[橘勇吉]
白竜

[矢沢]
渡嘉敷勝男

[大友]
サブ

[渡辺専務]
仲谷昇

[浜崎十三郎]
谷啓

[秋川芙美子]
大竹しのぶ



<<スタッフ>>

[監督]
原隆仁

[企画/製作]
鈴木光

[プロデューサー]
青木勝彦
三沢和子

[助監督]
中嶋竹彦

[脚本]
真崎慎
長崎行男
原隆仁

[撮影]
前田米造

[音楽]
大谷幸

[美術]
いしいいわお

[録音]
小野寺修

[照明]
矢部一男

[編集]
冨田功

[スチール]
安保隆



<<プロダクション>>

[製作]
褐和インターナショナル