極道の妻が旅行先で浮気をした男は、夫の殺害を依頼された殺し屋だった。
夫を殺された極道の妻の復讐を描く「極妻」シリーズ第6作。

新 極道の妻たち
覚悟しいや

1993  日本

115分  カラー



<<解説>>

家田荘子のノンフィクションを基に、86年からスタートした人気シリーズの第6作。主演は、90年の第4作『最後の戦い』から再登場(第2、3作には出演していない)した岩下志麻。“極妻”は彼女の当たり役となり、98年の第10作『決着』まで主演を務めた。シリーズものとは言っても物語につながりはなく、“極妻”のキャラクターが共通している以外は、毎回、ヤクザ社会を舞台にした異なるシチュエーションで描かれる。そのため、どの作品から観ても楽しめる内容になっている。
ゲストに北大路欣也を迎えた本作は、“極妻”が殺し屋と不倫の恋に落ちながら、同時に彼に殺された夫の復讐を誓うという、愛にこだわった物語。殺し屋と手を結んだ壮絶な復讐劇が見どころ。また、“極妻”シリーズの醍醐味の一つとして注目したいのは、監督によって作品のカラーが著しく変わるということ。本作は特に岩下の“極妻”キャラに拍車がかかった一作で、「ゆー、どんと、のお」と、英語の台詞までも“極妻”ライズされるなど、サービス精神旺盛な演出が楽しい。



<<ストーリー>>

愛知県岡浜市。極道・千之崎組の五代目・野木万乃助は、近頃、活発化している暴力団追放運動に焦りを見せていた。というのも、先日、万乃助の兄貴分・桑原が何者かに暗殺されたからだ。この際、大阪の淡野組の力を借りるという提案もあったが、昔気質の万乃助は大阪に頭を下げることを嫌った。
万乃助は、弟の高明を大事にしていて、彼に跡目を譲って引退を考えていた。そんなある日、万乃助は、高明のもとに淡野組の佐郷が接触してきたいたことを知った。万乃助は、佐郷が千之崎組のシマの乗っ取ろうとしていると考え、高明にタマを取らせようとした。だが、高明の妻・千尋の反発にあい、高明は駄目になってしまった。万乃助の妻安積は、戦争をすると息巻く夫の代わりに人をチンピラを一人撃ち、事態を収拾させた。
三年の服役を終えて出所した安積は、香港旅行中に花杜という男と出会い、浮気をした。だが、花杜は桑原を殺したプロの殺し屋であった。そして、花杜は次の仕事は奇しくも、香港マフィア・楊君里から依頼を受けた万乃助の殺害だった……。



<<キャスト>>

岩下志麻
かたせ梨乃
草刈正雄
成田昭次
乃木涼介
中野みゆき
野口貴史
成瀬正孝
西村譲
レツゴー正児
山崎泰成
鈴木隆二郎
神力裕
佐藤信一
藤澤慎介
伊集院八郎
石倉英彦
江連健二
佐久間一生
曽根秀樹
欧陽
厖国強
夏天星
サリー・プン
ジェフ・パーグランド
キラーカン
梅宮辰夫
山村紅葉
及川麻衣
中尾真澄
木村緑子
林英世
久保田祥子
上野聡子
今井麻美子
沢田夏子
松本陽子
桂木麻智
有川正治
川浪公治郎
白川浩二郎
小峰隆司
志茂山高也
細川純一
峰蘭太郎
宮本浩光
森山陽介
武井三二
稲泉智万
河本忠夫
猪飼賢治
青木和雄
藤本修子
小野順一
西田健
浜田晃
中尾彬
神山繁
佐藤慶
加賀まり子
北大路欣也



<<スタッフ>>

[企画]
日下部五朗

[プロデューサー]
奈村協
小柳憲子

[原作]
家田荘子 (文藝春秋社刊)

[脚本]
高田宏治

[撮影]
木村大作

[美術]
内藤昭

[照明]
増田悦章

[録音]
堀池美夫

[編集]
玉木濬夫

[助監督]
俵坂昭康

[記録]
森村幸子

[整音]
荒川輝彦

[装置]
増田道清

[装飾]
極並浩史

[背景]
西村三郎

[衣裳]
宮川信男

[美粧]
田渕恵子

[結髪]
山田真佐子

[宣伝]
中村範子
稲本千香

[スチール]
中山健司

[企画協力]
井波洋 (ヒロプロダクション)

[キャスティング]
葛原隆康

[音楽]
菊地ひみこ 「BEAM」 (BMGビクター)

[主題歌]
寺田恵子 「Dream Again」
三浦徳子 ・詩
寺田恵子 ・曲
(BMGビクター)

[音楽プロデューサー]
おくがいち明

[音楽製作]
東映音楽出版株式会社

[進行主任]
野口忠志

[監督]
山下耕作



<<プロダクション>>

[製作]
東映