<<ストーリー>>
タック・ペンドルトン中尉は酒で身を持ち崩した空軍パイロット。かつて、F14に操縦したことが彼の唯一の誇りだった。ある日、タックは、宇宙飛行士に選ばれた同僚を祝うパーティで泥酔し、同僚のラスティやピートと喧嘩。雑誌記者をしている恋人のリディアにもフられてしまった。
それから二ヵ月後のシリコンバレー。宇宙飛行士の選にもれたタックも晴れの任務につくことになった。物体をミニチュア(縮小)化する技術を応用し、人間の乗り込んだ潜航ポッドを動物の体の中に送り込むという実験のテスト・パイロットである。だが、それは人類初の危険な試みでもあった。実験にはピートも立ち会うことになっていたが、迎えに行ったナイルズ博士と共に渋滞に巻き込まれていた。研究の指揮者のオジー博士はピートたちの到着を待たずに実験を開始。実験は順調に進み、タックの乗ったポッドは無事にミニチュア化された。だが、ポッドを今回の実験の宿主となるウサギの体内に注入しようという段になり、想定外のトラブルが起こった。オジーのライバル、マーガレット・カンカー博士とその手下たちが、電話修理に化けて研究所に乱入してきたのだ。
マーガレットたちは、研究員たちを眠らせ、ミニチュア化に必要なPEM(光子エコー・メモリー)チップを奪った。物がけに隠れていたオジーは、マーガレットに見つかると、ポッドの入った注射器をポケットに突っ込み、研究所を脱出した。外で待機していたマーガレットの運転手アイゴーに追われながら、オジーはショッピングセンターに逃げ込んだ。だが、オジーはアイゴーに見つかり、銃で撃たれてしまった。オジーは最後の力を振り絞り、エレベータに乗り込んだ。そして、ドアが開いた瞬間、目の前に偶然、立っていたジャック・パターという男の尻に注射器を突き刺し、絶命したのだった。
ジャックはスーパーでレジ係を担当している病気がちの冴えない青年である。最近、彼はアレルギー体質と毎夜の悪夢のおかげで、ストレスがたまりがちだった。主治医のすすめで休暇をとろうと思い立ち、ショッピグセンターの旅行代理店にやってきたところ、彼は目の前で白衣の男が死ぬという事件に遭遇することになった。ジャックは事件のことを気にしながらも、仕事に出かけた。レジを打っている最中、気分が悪くなったジャックは店長と同僚のウェンディに心配され、事務所に休憩をとることに。
その頃、ジャックの尻の中に注入されたタックが、ポッドの中で意識を取り戻た。目の前に脂肪細胞が広がっていた。彼は自分がどういう状況にあるのか分からないタックは、オジーと無線で連絡を取ろうとするが、相手からの反応はなかった。それでも、タックは本来の任務を遂行することに決め、まずは視覚神経を目指した。宿主とコミュニケーションをとるのが彼の任務なのである。神経にセンサーを突き刺すと、宿主の見たものがポッドのスクリーンに映し出された。だが、スクリーンに映った顔はオジーのもではなかったため、タックは首をひねる。宿主が立ち上がるという行動をとった時、タックは自分が人間の体内にいることに気付いた。
突然、目の痛みを訴えだしたジャック。店長とウェンディは、ジャックの頭がイカれてしまったと考え、彼に病院に行くことをすすめた。一方、タックはセンサーを中耳につなぎ、宿主であるジャックに話しかけ始めた。エレベータや病院の待合室で、ジャックの耳に何処からともなく男の声が聴こえてきた。パニックを起こしたジャックは、主治医からヒステリーと診断された。アパートに帰っても、まだ鳴り止まない声。ジャックは声を無視しつづけた。タックはジャックに自分の存在を信じさせるため、ポッドに搭載された電磁ブースターを使い、テレビを破壊した。
ようやく、自分の中に誰かがいることに気付いたジャックは、タックの声に耳を傾け始めた。タックは実験のことを慎重にジャックに説明。ジャックが今朝、白衣の男に注射されたことを思い出したその時、玄関のチャイムが鳴った。配達員が旅行のチケットを持ってきたのだ。だが、スクリーンで配達員を見たタックはそれが偽者だと直感し、ジャックに逃げるよう叫んだ。ジャックは銃で襲い掛かってきた偽配達員を、タックのアドバイスを受けながら倒すと、アパートを飛び出した。
ピートとナイルズ博士は実験に立ち会えなかったおかげでマーガレットの襲撃を受けずに済んでいた。研究所にやってきたジャックは、ピートとナイルズ博士に事情を説明。ピートはジャックの中からタックを救出することを約束した。だが、タックはピートのことが信用できず、彼と研究員の内密な会話を、ジャックの聴覚を拡張することで盗み聞きした。その会話によれば、ミニチュア化の復元にはPEMチップが二つ必要だったが、ひとつはマーガレットに盗まれて、別のひとつはタックの乗ったポッドの中。手元にあるのはひとつだけだという。チップを複製することはできるが、それには時間がかかり、ポッドの酸素供給が切れる明朝9時にはとうてい間に合わないようだ。ピートが自分を見捨てようとしていることを知ったタックは、ジャックに頼み、ピートが戻ってこないうちに研究所から脱出した。
タックは研究所の駐車場に停めてあった自分のコンパーチブルをジャックに運転させ、自宅に向かわせた。部屋で一緒に酒を飲んだタックとジャックは、二人で助け合いながらこの問題を解決する意志を確認。タックはリディアに協力を求めることにした。出版社へ向かったジャックは、ビルから出てきたリディアを捕まえ、レストランに連れて行った。真実を言っても信じてもらえないため、ジャックは、とにかくジャックが危機にあるとリディアに説明。だが、うまく要領を得ない。そのうち、レストランにアイゴーが現れた。リディアのスタンガンでの抵抗も空しく、ジャックはアイゴーに連れ去られてしまった。
食肉運搬用のトラックに乗せられ、ジャックが連れて来られたのは、マーガレットにチップの強奪を依頼した男スクリムショーのもとだった。誰もが求める夢の技術であるミニチュア化技術を手に入れることで、大儲けしようと企むスクリムショーは、残りのチップを乗せているポッドを取り出そうとジャックに迫った……。
クレジットはこちら