南北戦争を背景に大金をめぐり騙しあうならず者たちの姿を描くマカロニ・ウェスタン。

続 夕陽のガンマン
地獄の決斗

THE GOOD, THE BAD AND THE UGLY

1966  イタリア/スペイン

161分  カラー



<<解説>>

マカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)史上に名高い、レオーネ監督とイーストウッド主演による“ドル三部作”の第三篇。『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』に続く作品だが、内容的にはつながりがない。全二作が、わずかな“ドル”をめぐるガンマンの活躍を描いたのに対し、低予算の全二作のヒットによって制作費が大幅にアップしたことに合わせてか、劇中で扱われる金額も20万ドルに増額。また、本作がコメディタッチに仕上がっている点でも、シリアス路線だった全二作と異なる印象を受ける。
題名にも掲げられている“良いやつ”、“悪いやつ”、“醜いやつ”による三つ巴の騙し合いを描く本作は、三者のユーモアたっぷりの駆け引きが主な見どころ。また、物語の背景となる南北戦争の戦闘シーンの一大スペクタクルもあり、戦争という大局的な出来事を描くことによって、それと対照的なならず者三人だけの小競り合いのおかしみを効果的に演出している。マカロニ屈指の大作であるのに、マカロニ独特の胡散臭さやキッチュさがよく現れた作品であり、そこにハリウッド製西部劇の模倣から脱却したような感がある。そういった意味では、三部作の他の二篇よりも重要視すべき作品なのかもしれない。



<<ストーリー>>

ならず者の“良いやつ”ブロンディと“醜いやつ”トゥコは、南北戦争のどさくさに乗じて荒稼ぎを続けていた。だが、ある日、ブロンディはトゥコを縁を切ろうとしたところ、逆に罠にはめられてしまった。ちょうどその時、二人は、20万ドルを墓に埋めたという瀕死の兵士と出会った。兵士はすぐに死んでしまったため、ブロンディとトゥコは再び手を組み、金を埋めた墓を探して旅に出発した。
ブロンディとトゥコは南軍に化けていたために、旅の途中で北軍の捕虜になってしまった。収容所には偶然、件の20万ドルを探している“悪いやつ”センテンサがいて、トゥコは金を探していることをしゃべらされてしまった。だが、肝心の墓標の名前を兵士の口から聞いたのはブロンディだけ。ブロンディはセンテンサに口を割らなかった……。



<<キャスト>>

[ジョー(ブロンディ)]
クリント・イーストウッド

[センテンサ(エンジェル・アイ)]
リー・ヴァン・クリーフ

[トゥコ]
イーライ・ウォラック

[ベイカー]
ルイジ・ピスティッリ

[ジャクソン/ビル・カーソン]
アントニオ・カサス

[ウォーレス]
マリオ・ブレガ



<<スタッフ>>

[監督]
セルジオ・レオーネ

[製作]
アルベルト・グリマルディ

[原案]
ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
セルジオ・レオーネ

[脚本]
ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ
セルジオ・レオーネ
フリオ・スカルペッリ
アジェノーレ・インクロッチ

[撮影]
トニーノ・デッリ・コッリ

[音楽]
エンニオ・モリコーネ