深海に沈没した原子力潜水艦の救出劇を描くパニック・サスペンス。

原子力潜水艦浮上せず

GRAY LADY DOWN

1978  アメリカ

111分  カラー



<<解説>>

戦略スペクタクルとパニック・サスペンスを合体させたような作品。主演はパニックものでお馴染みのチャールトン・へストンと、B級アクション・スターのデイヴィッド・キャラダインというし異色の組み合わせ。潜水艦艦内での救助活動をヘストン、海中での救助活動をキャラダインが主に担当し、二人の活躍が平行して描かれていく。また、本作はクリストファー・リーヴの映画デビュー作でもある。本作では脇役だか、同年に主演した『スーパーマン』でブレイクすることに。
同じくへストン主演の『大地震』や『パニック・イン・スタジアム』などのでは、災害や事故に巻き込まれるのは一般市民であるが、本作ではそれが軍人であるところが重要だ。救助する側がいかなる犠牲を払ってでも守らなければならない存在である一般市民に対し、軍人には「名誉の死」という選択もあるため、「どうせ助かるんでしょう?」という軽い気持ちでは観れない。「助かるのか、助からないのか?」 いや、「助けるのか、助けないのか?」――最悪の事態もありうる本作は、従来のパニック大作とは段違いのスリルが味わえる。
また、舞台が潜水艦という密室であるところも、スリラーとしてポイントが高い。下手に海中に出れば水圧に押しつぶされ、そのまま留まれば酸素切れで窒息死。最低でも海溝の奈落に吸い込まれるという恐怖――文字通り息の詰まりそうな閉塞感と緊張感を観る者に強いるのである。



<<ストーリー>>

アメリカの原子力潜水艦“ネプチューン”がテスト航海からの帰り、コネチカット州ニューロンドン沖で貨物船と衝突して沈没した。アメリカ海軍はブランチャード艦長以下乗組員の救助に向かうが、“ネプチューン”は海溝の入り口にかろうじて留まっている状態で、さらに、艦内の浸水が進み、酸素の残りも僅かという一刻を争う事態だった。
救助活動に参加していたゲイツ大佐は、独自に開発された特殊な小型潜水艦に乗り込み、“ネプチューン”の現状の確認に向かった。だが、その時、海中で地すべりが起こり、“ネプチューン”が転倒。脱出ハッチが岩によって塞がれてしまった……。
酸素切れまであと数時間。はたして、ゲイツは“ネプチューン”の乗組員を無事に救出できるのか?



<<キャスト>>

[ブランチャード艦長]
チャールトン・ヘストン

[ゲイツ大佐]
デイヴィッド・キャラダイン

[ベネット大佐]
ステイシー・キーチ

[ミッキー]
ネッド・ビーティ

[マーフィ]
スティーヴン・マクハティ

[デイブ副長]
ロニー・コックス

[ファウラー ]
ドリアン・ヘアウッド

[ビッキー]
ローズマリー・フォーサイス

[ペイジ]
ヒリー・ヒックス

[バーナス提督]
チャールズ・シオフィ

[ウォーターズ]
ウィリアム・ジョーダン

[ハークネス]
ジャック・レイダー

[カルーソ]
アンソニー・ポンジーニ

[ハリス]
マイケル・オキーフ

[マクアリスター]
チャーリー・ロビンソン (チャールズ・ロビンソン)

[フィリップス]
クリストファー・リーヴ

[リズ]
メレンディ・ブリット

[ブルーム]
ロウラソン・ドリスコル

[ハンソン]
デイヴィッド・ウィルソン

[海軍将兵の秘書]
ロバート・サイモンズ

テッド・ゲーリング
チャールズ・サイファーズ
ウィリアム・ブライアント
ジェフリー・ドルース
ジェイムズ・デイヴィッドソン

[ネプチューンの乗組員]
デイヴィッド・クレノン



<<スタッフ>>

[音楽]
ジェリー・フィールディング

[編集]
ロバート・スウィンク ,A.C.E.

[美術]
ウィリアム・タントク (ウィリアム・H・タントク)

[撮影]
ステヴァン・ラーナー

[原作小説]
デイヴィッド・ラヴァリイ 「原潜919浮上せず」

[脚本]
ジェイムズ・ホイッテカー
ハワード・サックラー

[潤色]
フランク・P・ローゼンバーグ

[製作]
ウォルター・ミリッシュ

[監督]
デイヴィッド・グリーン



<<プロダクション>>

[提供]
ミリッシュ・コーポレイション

[製作]
ウォルター・ミリッシュ