<<ストーリー>>
1985年10月26日の朝。時間を超えた冒険を終えた高校生マーティとガールフレンドのジェニファーの前に、タイムマシンのデロリアンが現れた。マシンの中から現れたドク(エメット・ブラウン博士)は、マーティとジェニファーの子供に問題がある、と慌てて説明し、二人をマシンに押し込んだ。宙に浮かび上がったマシンは、ワックス・サービスのビフが驚いて見上げる中、激しい光を発して消えた。
マーティたちがやってきたのは、30年後の未来である2015年10月21日。ドクはジェニファーが未来のことを知りすぎないよう、彼女をアルファリズム催眠装置で眠らせた。マシンは時計台の広場の近くの路地に着陸。ドクはマーティを未来のファッションに着替えさせ、息子のマーティンにそっくりにした彼に、明日の新聞を示した。そこには、マーティンが窃盗の罪で15年の懲役刑に処せられたという見出しが踊っていた。ドクの説明では、この事件によりマーティの家庭は崩壊することになるのだという。マーティが未来にやってきた目的は、マーティンに代わってビフの孫グリフの誘いを断わり、マーティンが犯罪に荷担することを未然に防ぐことにあった。
マーティは様変わりした未来の時計台広場に驚きながら、ドクに言われた通りに“カフェ80年代”へ向かった。マーティは店でグリフがやってくるのを待っていたが、催眠装置で眠らせておいたはずの本物のマーティンが店に来てしまった。続いて、グリフとその取り巻きが入店。マーティンはグリフに殴りとばされた。マーティは、気絶したマーティンと入れ替わり、グリフの盗みの計画の誘いに「ノー」と答えた。そのまま立ち去ろうとしたマーティだったが、グリフの口にした「腰抜け」という言葉に自分を押さえられなくなってしまった。マーティは挑発に乗って殴りかかってきたグリフから逃げ、店を脱出。ちょうど店の前にいた少女から“飛行ボード”と呼ばれる遊具を拝借した。マーティはグリフたちに追い掛け回されるが、見事、すんでのところで身をかわし、代わりに彼らを時計台に突っ込ませたのだった。
グリフたちを片付けたマーティは、ちょっとした悪知恵を思いついた。ギャンブルの結果を事前に知ることができれば、小遣い稼ぎができるだろう――マーティは骨董品店で1950年から2000年までのスポーツの試合の結果が載っている「スポーツ年鑑」をドクで内緒で買った。マーティを迎えにきたドクは、時計台での騒ぎに目を丸くした。やっかいなことになったかと思いきや、新聞を見てみると、マーティの記事は消えて、代わりに町のチンピラが逮捕されたという記事に変化していた。マーティは無事に家庭崩壊の危機を救ったのだ。
1985年に帰ろうとしたとき、ドクはマーティが年鑑を持ち帰ろうとしているのを目ざとくみつけた。人類のためにタイムマシンを作ったドクは、マーティを叱り、年鑑をゴミ箱へ放り込んだ。ところが、ふたりがそんなやりとりをしている間に、眠らせておいたジェニファーが警察のパトロールに発見されてしまった。ジェニファーは指紋照合でこの時代の彼女だと思われ、警察に自宅まで送り返されることになった。もし、ジェニファーが未来の自分と出会ってしまったら、時間の連続性に矛盾が生じ、宇宙が崩壊することになりかねない。マーティとドクは警察を追った。
未来のマーティとジェニファーが暮す住宅地ヒルデイルに向かうマシン。その後をタクシーで尾行する一人の老人がいた。この時代のビフである。広場で二人のマーティンがいるのを見かけて奇妙に思ったビフは、30年前に見かけた奇妙な車が停まってるのを見つけ、ドクの会話を盗み聞きしていたのだ。そして、ドクがタイムマシンを開発していたを知り、マシンを自分のため利用しようと思いついたのだった。
夜になり、マーティとドクはヒルデイルに到着した。ドクはマーティをマシンのもとで待たせ、一人でマーティの家に向かった。だが、マーティはものめずらしさからマシンから離れて町の見物に出かけてしまった。ビフはマーティがいない隙にマシンを拝借し、とこかへタイムスリップしていった。一方、ジェニファーは、警察に連れて来られたのが未来の自分の家であることに気付き、右往左往。そのうち、義父と義母が帰ってきてしまい、物陰に隠れることに。その時、ジェニファーは、義父母の会話から、マーティが短気を起こして交通事故を起こしてから人生が狂ったことを知った。
続いて帰宅したのは、47歳のマーティだった。ジェニファーは物陰からマーティの行動を観察した。自室に向かったマーティは、テレビ電話をかけてきた上司のニードルズから不正をやるよう強くすすめられた。はじめは断わっていたマーティだったが、ニードルズの「腰抜け」の一言で豹変し、不正をしてしまった。だが、さっそく、ボスのフジツーに今やったことがバレ、その場でクビを言い渡されてしまったのだった。一部始終をあっけにとられて見ていたジェニファーだったが、ふと我に返り、この家からの脱出を考えた。窓の外に現れたドクに言われ、玄関に回るが、ちょうど帰宅してきた未来の自分のばったり出くわしてしまった。二人とも相手が誰か分かったが、そのまま気絶してしまい、タイムパラドックスは起こらずに済んだのだった。
無事にジェニファーを回収したドクは、マーティと共にマシンで1985年へ戻った。マーティが目を離している隙に、ビフがタイムスリップしてたいとは、まだ気付いていなかった。今回の件でタイムトラベルが危険であることを痛感したドクは、まだ開拓時代を見に行っていなかったが、すぐにマシンを解体することを決意した。マーティとドクは眠ったままのジェニファーを彼女の家の前のブランコに乗せると、それぞれ自分の家へと帰っていった。マーティは自分の家の様子が変わっていることになんとなく気付いたが、構わず、窓から自分の部屋に入った。だが、ベッドに寝ていたのは見知らぬ少女。少女の悲鳴を聞きつけた父親にバットを振り回されて、マーティは命からがら家を飛び出した。
どうやら家を間違えたらしい――マーティは行く当てもなく夜の町をふらついた。だが、町の様子は出発前と変わっていて、あたりは荒廃しつくし、凶悪な犯罪も多発していた。学校は数年前につぶれていて、ストリックランドもマーティのことが分からなくなっていた。広場までやってきたマーティは時計台を見て呆然とした。そこは裁判所ではなくなり、ビフの経営する巨大カジノになっていたのだ……。
クレジットはこちら