二人の子供を引き取った継母と子供たちの実の母の関係を描くヒューマン・ドラマ。
グッドナイト・ムーン
Stepmom
1998
アメリカ
124分
カラー
<<解説>>
都会にはありがちな家族関係を描いた作品。前半は、夫に捨てられた恨みを継母にぶつける実母を悪役として描き、後半は、その悪役が病に冒され、余命わずかになってしまうという展開になっていく。病気をきっかけに変化していく、親子の関係、継母と実母の関係をあたたかいまなざしでとらえていく感動のドラマである。
『ホーム・アローン』のヒット以来、ファミリー向けの作品を専門に撮ってきたコロンバスが、このような大人向けのシリアスドラマをどのように見せるかが注目だ。子供たちの登場するシーンは、さすが専門家だけあって活き活きとしているが、継母と実母の対決を描くドラマ部分に関しては、コロンバスよりも、主演のロバーツとサランドンと思い入れが強く感じられる。物語終盤、レストランでロバーツとサランドンが二人きりで会う場面の熾烈な演技合戦が見もの。子供を持つ母親以外は、なかなか感情移入しにくい内容だが、男性ならばエド・ハリスの立場から二人の女性の関係を見守りたいところ。出番が少ないハリスだが、控えめながら印象に残る芝居を見せている。
『グッドナイト・ムーン』という邦題は原題の"stepmom(継母)"とは違うが、これはワーキング・タイトルから採られている。「ムーン」とは、おそらく"mom"にひっかけているのだろう。
<<ストーリー>>
ニューヨークのファッション・カメラマンのイザベルは、恋人の弁護士のルークと同居していた。ルークには別れた妻ジャッキー・ハリソンとの間に二人の子供アンナとベンがいて、子供を持った経験の無いイザベルは、慣れない子供の世話にりにてんてこ舞いの日々を送っていた。
イザベルはジャッキーと交代で子供の世話をしていた。だが、カメラマンとして評価されているイザベルの仕事は忙しく、世話ががおろそかになって、失敗してしまうことも多々あった。そんな時、ジャッキーはイザベルの母親としての資格のなさを激しく批判した。批判的なジャッキーに同調したアンナも、イザベルを保護者として認めず、彼女を毛嫌いしていた。ルークは、自分とイザベルの仲にあてつけるようなジャッキーの態度を見かね、注意することもあった。だが、ジャッキーは反省するどころか、法的手段により子供たちからイザベルを遠ざけようとする始末だった。
そんなある日のこと、イサベルは仕事中に学校から呼ばれ、子供を迎えに行くことになった。母親として完璧だったジャッキーにしてはめずらしく、子供たちを迎えにくる約束を守らなかったのだ。実はそのころ、ジャッキーは病院で医師から癌健診の結果報告を受けていた。結果は陽性だった。だが、ジャッキーはそのことを誰にも告げず、一人で病気を治そうとするのだった。
ジャッキーの家で誕生会が開かれた。招待されたイザヘルは、ジャッキーの友人からの励ましの手紙とロス行きの航空チケットを盗み見て、ジャッキーが子供たちがロスに連れて行ってしまうものと勘違い。病気のことなど知る由もないイサベルは、ジャッキーを問い詰めるのだった……。
<<キャスト>>
[イザベル・ケリー]
ジュリア・ロバーツ
[ジャッキー・ハリソン]
スーザン・サランドン
[ルーク・ハリソン]
エド・ハリス
[アンナ・ハリソン]
ジェナ・マローン
[ベン・ハリソン]
リーアム・エイケン
[スワイカート医師]
リン・ウィットフィールド
[ダンカン・サミュエルズ]
ダレル・ラーソン
[学校のカウンセラー]
マリー・ルイーズ・ウィルソン
<<スタッフ>>
[キャスティング]
エレン・ルイス
[衣装デザイン]
ジョセフ・G・アウリシ
[音楽]
ジョン・ウィリアムズ
[編集]
ニール・トラヴィス
,A.C.E.
[美術]
スチュアート・ワーツェル
[撮影]
ドナルド・M・マカルパイン
(ドナルド・マカルパイン)
,ASC
[製作総指揮]
パトリック・マコーミック
ロン・バス
(ロナルド・バス)
マーガレット・フレンチ・アイザック
ジュリア・ロバーツ
スーザン・サランドン
プライニー・ポーター
[製作]
ウェンディ・フィネルマン
クリス・コロンバス
マーク・ラドクリフ
マイケル・バーナサン
[原案]
ジジ・レヴァンジー
[脚本]
ジジ・レヴァンジー
ジェシー・ネルソン
スティーヴン・ロジャース
カレン・リー・ホプキンス
ロン・バス
(ロナルド・バス)
[監督]
クリス・コロンバス
<<プロダクション>>
[提供]
コロムビア映画
[製作]
ウェンディ・フィネルマン
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