フットボール選手フラッシュが地球征服を企む悪の皇帝に挑む。
30年代のコミック・ヒーローを原作にしたSF超大作。

フラッシュ・ゴードン

FLASH GORDON

1980  イギリス

111分  カラー



<<解説>>

「フラッシュ・コードン」と言えば、本国では「スーパーマン」と人気を二分するほどのアメコミヒーローだが、日本ではいまいちなじみが薄い。そのせいか、映画本編より、「フラッシュ! アアァ〜!」というクイーンの無闇に気合の入った主題の方が有名になってしまっている。しかし、元ネタの知名度が低いということは、それだけ変な先入観なしに無しに作品を楽しめるということでもある(かもしれない)。
本作の見どころはなんといっても、コミックの世界を再現した映像である。世界観やキャラクターは、製作者が同じラウレンティスで、しかもコミック原作ということもあり、『バーバレラ』と比較されるが、本作はキッチュさを通り越し、ひたすら原色ギラギラなドキツい印象のものとなっている。また、後にジェームズ・ボンドを演じることになるティモシー・ダルトンが王子役で出演しているのにも注目したい。フラフラ傾く円盤の上で主人公と決闘するというヘンテコなシーンが見せ場である。
『バーバレラ』と較べて華のない出演陣、ドギツい映像共に、なんともアクの強さが目立つ作品に仕上がっていて、そこが一部の好事家の間で語り草になっているが、むしろそのアクの強さやクドさを珍味として賞味したい作品だ。2006年にリメイクの予定。



<<ストーリー>>

地球に異常気象が起こっていた。それは、モンゴ星の皇帝ミンが仕掛けたゲームだった。異常の原因が月の接近であることを突き止めた科学者のザーコフは、偶然、出会ったフラットボール選手のフラッシュと、その恋人である旅行会社社員のデールをモンゴ星に送り込んだ。フラッシュの使命は、ミンの企みを挫き、地球を滅亡の危機から救うことである。
フラッシュたちはモンゴ星に到着後、すぐにミンの手下に捕まってしまった。ミンはデールを見初め、彼女と結婚しようと考えた。一方、フラッシュはミンの娘のオーラ姫に見初められ、解放された。オーラの案内で反乱軍を組織するバリン王子と会ったフラッシュは、そこでデールと再会。一方、ザーコフはミンに洗脳されかけていたが、すんでのところで助かり、デールと一緒にミン宮殿から脱出した。
フラッシュは、男好きのオーラがバリンとも関係を持っていると疑っていた。バリンはフラッシュの指摘に憤り、彼に襲い掛かった。二人は争っているうちにミンの手下に捕まってしまい、決闘場で決着をつけさせられることに……。



<<キャスト>>

[フラッシュ・ゴードン]
サム・ジョーンズ

[デール・アーデン]
メロディ・アンダーソン

[ミン皇帝]
マックス・フォン・シドー

[ハンス・ザーコフ博士]
トポル

[オーラ姫]
オルネラ・ムーティ

[バリン王子]
ティモシー・ダルトン

[ヴァルタン]
ブライアン・ブレッスド

[クライタス]
ピーター・ワインガード

[カラ]
マリアンジェラ・メラート

[アーボリアの司祭]
ジョン・オズボーン

[フィコ]
リチャード・オブライエン

[ラロ]
ジョン・ホーラム

[ゾギ]
フィリップ・ストーン

[侍女]
スーザン・ダニエル

[マンソン]
ウィリアム・フットキンス

[ヘドニア]
ボビー・ブラウン



<<スタッフ>>

[監督]
マイク・ホッジス

[製作]
ディノ・デ・ラウレンティス

[製作総指揮]
バーナード・ウィリアムズ

[原作コミック]
アレックス・レイモンド

[潤色]
マイケル・オーリン

[脚本]
ロレンツォ・センプル・ジュニア

[撮影]
ギルバート・テイラー

[音楽]
ハワード・ブレイク

[主題歌]
クイーン

[装飾監修]
ジョン・グレイスマーク

[編集]
マルコム・クック

[特殊効果監修]
ジョージ・ギブス