<<ストーリー>>
1942年。ナチス・ドイツ海軍の潜水艦Uボートの北大西洋での活動により、連合軍は補給ラインに深刻な打撃を受けていた。新暗合システム“エニグマ”の存在は、さらに連合軍に苦戦を強いたのだった。
アメリカ海軍の潜水艦S−33の乗組員たちは、上陸許可を得て、将校クラブでパーティを楽しんでいた。その席上、副艦長のタイラー大尉は艦長へ昇進することが約束されていたが、艦を持たせてもらえず、その不満を上官のダルグレン少佐にぶつけた。ダルグレンはタイラーが艦長として未熟であると考え、推薦を行なわなかったのだ。その時、パーティが突然中断され、タイラーたちの上陸許可が取り消された。特別哨戒任務のため急遽、出航することになったのだ。タイラーたちは、なぜか提督が他所から寄越したハーシュ大尉の指揮下に入ることになり、情報部のクーナン海兵隊少佐も艦に同乗することになった。タイラーは、親友のエメット大尉、ベテランのクロフ兵曹長、ドイツ出身のウェンツ通信兵らと共に、外観をUボートのように偽装したS−33に乗船した。
任務の詳細は出航後にハーシュの口から伝えられた――イギリス海軍の攻撃で傷ついたUボート“U−571”が北大西洋の作戦境界線上に漂流中であることが、暗号無線を解読することで分かった。タイラーたちの任務は、ナチスの補給潜水艦になりすましてU−571に近づき、エニグマ暗合機を確保することにある――作戦に先立ちダルグレンは、タイラーの優しさを案じ、彼に仲間を犠牲にできるかどうか尋ねた。「ためらわずに正しい決断できなければ、艦長の資格はない」というのがダルグレンの教えだった。
U−571を発見したタイラーたちは、クーナンの指揮のもと潜入作戦を実行に移した。修理兵のふりをしてS−33からボートでU−571に近づき、ドイツ兵たちが油断した隙をついて艦内を制圧。エニグマ暗号機も確保した。作戦は、水兵のグリッグスが犠牲になったものの、成功に終わった。だが、U−571の艦長バスナー大尉らドイツ兵たちを捕虜にし、移送している最中、S−33が魚雷の攻撃を受けた。補給に来た本物のUボートに追いつかれたのだ。S−33は炎をあげて沈没。爆発に巻き込まれ、エメット、クーナンが死亡した。タイラーは会場に放り出されたダルグレンの姿を発見。だが、ダルグレンはタイラーに「潜れ」と叫んだ。タイラーはダルグレンの命じられた通り、彼を見捨て、U−571に乗り込んだ。
見慣れないドイツ語の計器に戸惑いながらも、チーフのクロフに命じて急速潜航させた。だが、敵のUボートは直ぐ近くまで近づいていた。タイラーは魚雷の発射を命令。敵の発射した魚雷はU−571の直ぐ近くをかすめたが、こちらが発射した魚雷は敵に命中した。Uボートを沈めた後、S−33の生存者の確認をしたタイラーたちは、海上で助けを求めていたバスナーを救い上げ、改めて捕虜にした。海面にはダルグレンの体も浮かんでいたが、すでに亡くなっていた。
U−571は、エニグマを奪ったことを悟られるために無線を使うことが出来ないため、イギリスを目指すことになった。ダルグレン亡き後、艦の指揮は副長であるタイラーがとることになった。だが、実績のない彼に水兵のマッツォーラは反発した。クロフも、下士官の質問に「わからない」と答えたタイラーに苦言を呈し、「艦長は絶対でなければないらい」ことを教えた。
U−571の上空にナチスの偵察機が現れた。タイラーたちはドイツ兵のふりをして手を振り、偵察機をやり過ごしたが、次にナチスの駆逐艦が姿を見せた。自分たちがアメリカ軍であることがばれるのは時間の問題である。そして、もし正体がばれたら、エニグマを奪ったことを無線で通報されることになるだろう。タイラーは相手と一戦交えることを覚悟で、ある大胆な決断を下した……。
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