過去に犯した殺人を償った後、堅気の生活を送っていた若者が、
恋人を死に追いやった巨悪に戦いを挑む。
和製ギャング映画。

錆びたナイフ

1958  日本

90分  モノクロ



<<解説>>

石原慎太郎の原作を裕次郎と北原三枝のゴールデンコンビ主演で映画化したサスペンス・アクション。アイドルだった裕次郎がアウトローという新境地に挑んだ作品でもある。共演は「渡り鳥」シリーズなどの日活無国籍アクションに主演する直前の小林旭(主人公の弟分・寺田役)。これが裕次郎との本格的な初共演となった。
日本のアウトローというと、すぐにヤクザが思い浮かぶところだが、ヤクザというよりギャングに近いイメージで世界観を貫いているところが斬新。仁義無用の陰謀劇という壮絶な内容は今観ても見応えがある。また、大半を占める夜のシーン(ていうか、ほとんど真っ暗)によって、暗黒街のダークな雰囲気を出すことに成功してる。



<<ストーリー>>

西日本のある町で、町を牛耳る悪党・勝又が検挙された。かつては手のつけられないチンピラだったバーテン・橘は、勝又が市会議員・西田を殺害した事件の目撃者ととて証言を求められた。だが、橘には、恋人のユキを自殺に追いやった男を刺殺した過去があった。それに触れられたくない橘は、警察への協力を拒否した。
西田の娘でルポライターの啓子は、取材で橘の過去を調べていた。啓子は、ユキを強姦したのが橘が始末した男だけではなかった事実を突き止めていて、それを橘に伝えた。一方、橘と一緒に西田の殺害を目撃していた弟分・寺田は、勝又に買収されていた。金を持ったことで強気になった寺田は、一人だけ真面目になった橘を嘲笑ると、勝又を再度、強請に向った。だが、寺田はそのまま勝又によって拉致されてしまった。
勝又を追いかけ寺田を救出した橘は、その時、ユキを襲った犯人も勝又の一味であることを知るがった。一方、一足早く警察へ駆け込んでいた寺田は何者かに狙撃され、死亡。逮捕された勝又も何者かが差し入れた毒まんじゅうをあおり自殺した……。



<<キャスト>>

石原裕次郎
北原三枝
安井昌二
白木マリ
宍戸錠
小林旭
清水將夫
楠田薫
杉浦直樹
高原駿雄
河上信夫
天路圭子
相原巨典
弘松三郎
柳P志郎
山田襌二
峰三平
深江章喜
青木富夫
渡のり子
K田剛
高野誠二郎
井東柳晴
小泉郁之助
水木京一
三杉健
木島一郎
衣笠一夫
宮川敏彦
大須賀更生
川村昌之
角田眞喜子



<<スタッフ>>

[製作]
水の江滝子

[原作]
石原愼太郎

[脚本]
石原愼太郎
舛田利雄

[撮影]
高村倉太郎

[照明]
大西美津男

[録音]
橋本文雄

[美術]
松山崇

[編集]
辻井正則

[助監督]
河辺和夫

[製作主任]
中井景

[音楽]
佐藤勝

[主題歌]
「錆びたナイフ」
萩原四朗 ・作詞
上原賢六 ・作曲
石原裕次郎 ・唄
(テイチクレコード)

[監督]
舛田利雄



<<プロダクション>>

[製作]
日活株式会社