紛失した故郷のエネルギー源を取り戻すために地球にやってきた
スーパーマンのいとこスーパーガールの活躍を描くアドベンチャー・ファンタジー。
スーパーガール
SUPERGIRL
1984
イギリス
126分
カラー
<<解説>>
バットマンに対してバットガールがいるように、アメコミヒーローには女性版がつきもの。スーパーマンの女性版スーパーガールも昔からアメコミに登場していて、人気キャラだった。本作は原作のコミックをもとに映画化したもので、スーパーマンが女性だったら、という遊びが楽しめる作品だ。
映画版「スーパーマン」シリーズのヒットに乗じて作られた感じだが、お馴染みの赤と青のスーツに金髪というコミックで定着していたイメージを、そのまま映像化しただけでも、観客の要望に十分応えている。地球にはじめてやってきたスーパーガールが試しに空を飛んでみるという場面は、特に美しくに撮られていて、本家シリーズで特殊視覚効果を担当していたメディングスが、女性ならではのエレガントな動きをつけている。
さて、スーパーガールの活躍の内容だが、先輩のスーパーマンより目立ってもらっても困るわけなので、番外編的な規模に収まっているのはいたしかたがない。しかし、宇宙規模の危機をアメリカの片田舎というミクロな世界で決着をつけようとしする愛嬌は、スーパーガールのキャラクターと合っているので問題はない。
本家にならってか、F・ダナウェイ、P・オトゥール、M・ファローなどのキャストが無闇に豪華。しかし、スーパーガールの愛らしさがすべての作品であるからして、カメオ程度と考えておくのが無難。その代わり、スーパーマンことクラーク・ケントの同僚ロイスの妹や、シリーズのレギュラーのカメラマン・ジミーの登場など、ファン・サービスはちゃんと押さえてくれている。
<<ストーリー>>
スーパーマンの故郷クリプトンの崩壊から生残った者たちは、インナースペースのアルゴシティに移り住んでいた。ある日、スーパーマンの従妹のカーラは不注意からシティのエネルギー源であるオメガヘドロンを宇宙に放り出してしまった。カーラはオメガヘドロンを取り戻すために地球へ旅立った。
オメガヘドロンは地球の魔女セリーナに拾われていた。強大な力を身につけたセリーナは、友人のビアンカと共に世界征服を企み、人間を支配する道具として“愛”を選び出した。そして、手始めに庭師の青年イーサンを虜にすべく、女性に一目ぼれをしてしまう彼に魔法をかけた。
地球に到着したカーラにはスーパーガールとして超能力が身についていたが、高校生に成りすまして普通の生活を送っていた。そんなある日、カーラは、イーサンと出会い、セリーナの魔法で錯乱状態になっていた彼を救った。ところが、セリーナの魔法の効果でイーサンに一目惚れされてしまうのだった……。
<<キャスト>>
[セリーナ]
フェイ・ダナウェイ
[カーラ/スーパーガール]
ヘレン・スレイター
[ザルター]
ピーター・オトゥール
[アルラ]
ミア・ファロー
[ビアンカ]
ブレンダ・ヴァッカロ
[ナイジェル]
ピーター・クック
[ゾル=エル]
サイモン・ウォード
[ジミー・オルセン]
マーク・マクルーア
[イーサン]
ハート・ボックナー
[ルーシー・レーン]
モーリン・ティフィ
<<スタッフ>>
[監督]
ヤノット・シュワルツ
[製作]
ティモシー・バリル
[製作総指揮]
イリヤ・サルキンド
[脚本]
デイヴィッド・オデル
[撮影]
アラン・ヒューム
[音楽]
ジェリー・ゴールドスミス
[美術]
リチャード・マクドナルド
[装飾監修]
テリー・オークランド=スノウ
[編集]
マルコム・クック
[衣装デザイン]
エマ・ポーテウス
[特殊視覚効果]
デレク・メディングス
[キャスティング]
トニ・ハワード
リン・スタルマスター