誘拐された紫禁城の姫を救うため、近衛兵がアメリカ西部で大暴れ。
西部劇の世界にジャッキー・アクションが炸裂する。

シャンハイ・ヌーン

SHANGHAI NOON

2000  アメリカ

110分  カラー



<<解説>>

西部劇とカンフー・アクションの融合というと『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲』が記憶に新しく、本作がはじめてというわけではないが、ハリウッド進出第二作にして、本格的なジャッキー・アクションを観られたということは嬉しい。はっきり言えば、もうイイ年である彼に昔のような動きを要求するのは酷というものだが、『ラッシュ・アワー』よりも往年のジャッキー映画に近い形のアクションを見せてくれた。
ハリウッド進出幾度か挑み、その度に挫折したジャッキー。ジャッキーによるジャッキーのための作品は、アジアで通用したかもしれないが、多民族であるアメリカでは歓迎されることはなかった。しかし、外国人とコンビを組んだ『ラッシュ・アワー』では、アメリカという舞台の中での彼の位置付けをはっきりさせ、その魅力が相対的に発揮されることが発見された。本作は、前作で見出した活路をさらに発展させ、西部劇の世界での中国人という場違いな人物を、カルチャーギャップを巧みに交えて面白おかしく演じきった。
本編が終わった後はもちろんNG集のオマケ付。ちなみに、タイトルは西部劇の名作『真昼の決闘』の原題"High Noon"もじったものと思われる。ヒットを受けて作られた続編は『シャンハイ・ナイト』。



<<ストーリー>>

1881年の中国。紫禁城からペペ姫が誘拐された。犯人は近衛兵の裏切り者ロー・ファンで、彼は身代金として金貨十万枚を要求。人質との交換場所はアメリカのネバタ州カーソン・シティを指定してきた。姫の救出には三人の近衛兵と一人の通訳が向かうことになった。通訳の甥である下っ端の近衛兵チョン・ウェンも皇帝の命令を受け、鞄持ちとして同行することになった。
七週間後、一行はネバタ州に着くが、彼らの乗っていた列車が強盗の撃に遭った。襲ったのはならず者ロイ・オノバンの一味たち。手荒なことを好まないロイは穏便に乗客から金品だけ奪うつもりだったが、血の気の多い仲間のウォレスがチョンのおじを撃ち殺してしまった。強盗を追いかけたチョンはロイを見つけるが、彼は仲間に裏切られて首まで土に埋められていた。チョンはロイがおじの敵ではなかったため、見逃すことにした。
近衛兵たちとはぐれてしまったチョンは、ロイにカーソン・シティの方角を尋ねると、一人荒野を歩き出した。途中、先住民の女性が男たちに追い回されているところに出くわした。男たちを撃退したチョンは、女性が暮らすスー族の村に案内された。敵対するグロー族の男たちを倒したということで、大歓迎を受けたチョンは、わけがわからないまま、フォーリング・リーヴスという名のその女性と結婚させられてしまうのだった。
スー族の村を出てたチョンは、人で賑わう街に辿り着いた。そして、街の酒場でロイと再会した。酒場の連中に中国人であることを理由にケンカを売られたチョンは、ロイの加勢を得て大暴れ。だが、二人はそろって逮捕され、留置所にぶち込まれてしまった。ロイはチョンの身の上話を聞き、「お姫様を救出に行く」などと妙なことを言う彼に興味を持った。
牢屋の扉を破ったチョンの後について、ロイも一緒に脱獄した。二人は別の町に移動するが、そこで自分たちが賞金首になったいることを知った。その時、早撃ちで知られる保安官ネーサンが現れた。慌てて街を飛び出した二人は、やがてカーソン・シティに到着する……。



<<キャスト>>

[チョン・ウェン]
ジャッキー・チェン

[ロイ・オバノン]
オーウェン・ウィルソン

[ペペ姫]
ルーシー・リュー

[フォーリング・リーヴス]
ブランドン・メリル

[ロー・ファン]
ロジャー・ユーアン

[ネーサン・ヴァン・クリーフ]
ザンダー・バークレイ

[近衛兵]
ユー・ロングァン

[カルヴィン・アンドリュース]
ジェイソン・コネリー

[ウォレス]
ウォルト・ゴギンス

[通訳]
ヘンリー・オー



<<スタッフ>>

[監督]
トム・デイ

[製作]
ゲイリー・バーバー
ロジャー・バーンバウム
ジョナサン・グリックマン

[製作総指揮]
ジャッキー・チェン
ウィリー・チェン
ソロン・ソ

[脚本]
マイルズ・ミラー
アルフレッド・ガウ

[撮影]
ダニエル・ミンデル

[音楽]
ランディ・エデルマン

[音楽監修]
キャシー・ネルソン

[美術]
ピーター・J・ハンプトン

[編集]
リチャード・チュウ

[衣装デザイン]
ジョセフ・A・ポロ

[キャスティング]
マシュー・バリー
リン・キャロウ
デッド・グリーン
ナンシー・グリーン=キース
ルイーズ・マッキーウィッツ