大晦日のホテルを舞台にベルボーイの受難を描く。
インディペンデント出身の若手監督たちによるオムニバス・コメディ。
フォー・ルームス
FOUR ROOMS
1995
アメリカ
98分
カラー
<<解説>>
『レザボア・ドッグス』、『パルプ・フィクション』ですでに成功を収めていたタランティーノが、インディペンデント系の若手監督たちに呼びかけて製作したオムニバスもの。ティム・ロス扮するベルボーイが一晩のうちに散々な目に遭う様を、部屋単位で描いていく。題名のとおり4つの部屋、4つのエピソードからなる。
楽しいタイトル・アニメに続く第一話は、ちょっとエッチでファニーなファンタジー。いきなりマドンナをキャスティングしたあたりに監督のアンダースへの期待が感じられる。しかしながら、その後の活躍の噂は聞かれていない。
第2話の監督は『イン・ザ・スープ』で評価済みのロックウェル。ぶっとんだ第一話とのギャップも激しいが、コメディとしては正攻法の脚本で、作品全体を引き締める。『フラッシュ・ダンス』のビールスが出演しているのは、当時、監督の妻だったから。
ロドリゲスの手がけた第3話は、悪ガキを扱ったところに後の『スパイキッズ』の片鱗が窺える。『テスペラード』のバンデラスとハエック(部屋のテレビの中に登場)を使ってるのに、ほとんど子供たちが主役という意表をつくエピソード。
トリを飾るタランティーノの最終話は、「ヒッチコック劇場」のエピソード「指(リオから来た男)」をネタにしたもの。シンプルな内容ながら、全エピソードの中でいちばん見応えがある。最後にタランティーノがおいしいところを全部持っていったといった感しだ。
<<ハネムーン・スィート“お客様は魔女”>>
ハネムーン・スィートを借りたのは六人の女性。キヴァは普通の女の子だったが、アシーナ、エルスペス、ジゼベル、レイヴン、イヴァの五人は魔女だった。五人の魔女はそれぞれに捧げ物を持ち合い、女神ダイアナの復活の儀式を始めようとしていた……。
<<404号室“間違えられた男”>>
ルームサービスの部屋を間違え、404号室に入ってしまったテッドは、その部屋に宿泊する男シグフリードに間男と間違えられてしまった。見ると部屋の奥には椅子に縛り付けられた妻アンジェラの姿があった。テッドが言い訳しようとすると、突然、シグフリードが発作で倒れた……。
<<309号室“かわいい無法者”>>
テッドは309号室のギャング風の男から500ドルで子守りを頼まれた。男は妻と出かけていったが、二人の子供サラとファンチョのことをテッドはほったらかし。テッドがいないことを良いことに、サラとファンチョは部屋の中でいたずらのし放題……。
<<ペントハウス“ハリウッドから来た男”>>
ハリウッド・スター、チェスター・ラッシュの宿泊するペントハウスにテッドが運ばされたのは、板と手斧。チェスターは、これから取り巻きのノーマンと高級車をかけた賭けをすると告げた。ノーマンは賭けに勝てば車を手に入れ、負ければ小指を切られることになる。テッドはチェスターから小指を切る役をやって欲しいと頼まれた……。
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