ナバロン島の作戦を成功させた英雄たちが、
ドイツ軍に包囲されたパルチザンを救出するためユーゴへ向かう。
『ナバロンの要塞』から十七年振りの続編。

ナバロンの嵐

FORCE 10 FROM NAVARONE

1978  イギリス

118分  カラー



<<解説>>

戦争冒険映画の傑作『ナバロンの要塞』の原作が書かれたのは1957年。その続編の小説「ナヴァロンの嵐」が発表されたのが1968年だったが、映画化されるまではしばらく待たなければならなず、結局、本作は映画としては優に17年ぶりの続編となった。
前作から長い年月が経っているため、原作原案の他はスタッフ、キャストが一新。監督は「007」シリーズなどのスパイ映画で活躍していたガイ・ハミルトン。主演には、演技派ロバート・ショウ、『ジャッカルの日』のエドワード・フォックス、『レイダース』前のハリソン・フォードがあたっている。
物語は、前作での生き残りであるマロリーとミラーが、スパイ暗殺の特命を受けてユーゴスラビアで冒険を繰り広げるというもの。任務遂行に至るまでに巻き起こる事件は、前作とありま大差はないが、今回はパルチザンとチェトニクという二つの武装勢力の対立といった複雑な背景が新たに加わっている。したがって、主人公たちが主体性を持って行動するといより、大きな流れに翻弄されていくような感じで物語が展開していく。
ハミルトンは、「007」で見せたような華やかで派手なアクションはここでは見せない。むしろ、当時としてはストイックな演出によってリアリティを尊重し、冒険映画としての前作の魅力を踏襲すること努めているようだ。その結果、前作と続けてみても、17年の時を経ているとは思えないほど、違和感のない続編に仕上がっている。
アクションは派手ではないと言っても、クライマックスには前作にも勝るとも劣らないスペクタクルが用意され、前作からのファンの期待を裏切らない。大砲よりも規模の大きいダムと橋の破壊シーンが、ミニチュアを使った特撮で表現されている。



<<ストーリー>>

ナバロン島の作戦の生残りマロリー少佐とミラー曹長は、バーンズビー中佐とウィーバー軍曹率の第十部隊に加わり、ユーゴスラビアへ向った。彼らに与えられた任務は、前の作戦中に裏切られたドイツのスパイ、ニコライの抹殺である。
ユーゴに降り立って間もなく、マロリーら四人はパルチザンと合流するが、その正体はパルチザンと敵対するゲリラ“チェトニク”だった。そのまま、シュローダー大佐率いるチェトニクの虜となった四人は、「自分たちは脱走兵であり、薬を売っている」と釈明。その結果、マロリーとバーンズビーはありもしない薬を隠し場所から掘り出しに行かされることになった。
だが、幸いにも二人が隠し場所に案内したシュローダーの秘書マリッツァは連合軍のスパイだった。マリッツァの手引きで逃亡に成功した二人は、マリッツァの父ペトロビッチ少佐率いるパルチザンと合流した。マロリーは、パルチザンの中にニコライと思しき男を見つけた。だが、その男はレスコバーと名乗り、「ニコライは既に逮捕処刑された」と説明した。
ニコライを始末する必要のなくなったマロリーとバーンズビーは、ドイツ軍に包囲されたパルチザンを救うため、敵の進入経路であるネレトバの橋の破壊工作に協力することに……。



<<キャスト>>

[マロリー少佐]
ロバート・ショウ

[バーンズビー中佐]
ハリソン・フォード

[マリッツァ]
バーバラ・バック

[ミラー曹長]
エドワード・フォックス

[レスコバー大尉]
フランコ・ネロ

[ウィーバー軍曹]
カール・ウェザース

[ドラザック大尉]
リチャード・キール

[ペトロビッチ少佐]
アラン・バデル

[シュローダー少佐]
マイケル・バーン

[ジェンセン司令官]
フィリップ・ラサム

[ダグ・レイノルズ中尉]
アンガス・マッキネス

[マルコ]
ピーター・バンティック

[バウアー軍曹]
マイケル・シアード



<<スタッフ>>

[原作小説]
アリステア・マクリーン

[製作補]
デイヴィッド・W・オートン

[撮影]
クリストファー・チャリス ,BSC

[美術/視覚効果デザイン]
ジェフリー・ドレイク ,GFAD

[編集]
レイモンド・ポールトン ,GBFE

[音楽作曲/指揮]
ロン・グッドウィン

[共同製作]
ジョン・R・スローン

[脚本]
ロビン・チャップマン

[原案]
カール・フォアマン

[製作]
オリヴァー・A・アンガー

[監督]
ガイ・ハミルトン

[提供]
コロムビア映画