呪いによって動物の姿に変えられた騎士とその恋人の姿を描く、
中世ヨーロッパを舞台にしたファンタジー。

レディホーク

LADYHAWKE

1985  アメリカ

121分  カラー



<<解説>>

呪いをかけられた騎士とその恋人の冒険を、彼らが出会ったコソ泥に語らせた物語。騎士たちにかけられた呪いというのがまた意地悪で、騎士は夜の間だけ狼に変身し、一方の恋人は昼の間だけ鷹に変身するというもの。人間の姿で会うことが出来ない二人は、いつもぴったり寄りそっているにもかかわらず、触れ合うことも言葉を交わすことができるのは日没の一瞬だけ。なんともロマンチックな設定だ。
悲劇の騎士を演じているのは、クセのある悪役の多いハウアー。強面の彼が見せる憂いをおびた表情が、物語をよりせつないものにしている。恋人役は『恋のゆくえ』で注目される前のファイファー。夢の中から抜け出てきたような幻想的な美女がよく似合っていて、ハウアーとカップルとしてのバランスも絶妙だ。
と、ここまではロマンスのようだが、実際は剣を使ったアクション・シーンも満載で、活劇的要素が高い。SFXで表現された人が動物に変身するシーンも見どころだ。プログレのミュージシャン、アンドリュー・パウエルのスコアは、まるで勧善懲悪ヒーロー物のような派手な仕上がり。それは、中世ヨーロッパという世界観といまいちかみ合っていないようだが、逆にそのギャップは楽しめる。



<<ストーリー>>

中世ヨーロッパのある国。大聖堂の牢獄から、そこに捕えられていたコソ泥のフィリップが脱獄した。司教の遣わした手下に追われたフィリップは、鷹をつれた騎士のナバールに助けられた。長い間、国を離れていたサバールは、旅から帰ってきたところだった。
ナバールと共に森の中に泊まったその夜、フィリップの前に狼をつれた美女イザボーが現れた。代わりに、いつのまにかナバール姿は消えていた。翌朝になると美女と狼は消え、入れ替わるようにナバールが戻ってきた。
旅を続けたナバールとフィリップは、再び司教の追っ手の襲撃を受けた。そして、抗戦したナバールと鷹は重症を負ってしまった。フィリップはナバルーに頼まれ、鷹の治療のために近所に住む神父インペリアスのもとを訪ねた。そこで、フィリップは神父からナバールにまつわる驚くべき話を聞かされた。
ナバールはイザボーという女性と愛し合っていた。だが、イザボーに恋をしていた司教によって二人は呪いをかけられ、鷹と狼の姿に変えられてしまった。ナバールは夜の間だけ狼に変身し、イザボーは昼の間だけ鷹に変身するので、二人は人間の姿で会うことが出来なくなった……。



<<キャスト>>

[フィリップ]
マシュー・ブロデリック

[ナバール]
ルトガー・ハウアー

[イザボー]
ミシェル・ファイファー

[インペリアス神父]
レオ・マッカーン

[司教]
ジョン・ウッド

[マルケ]
ケン・ハッチソン



<<スタッフ>>

[衣装デザイン]
ネーナ・チェッキ

[装飾]
ジョヴァンニ・ナタルッチ

[背景音楽製作]
アラン・パーソンズ

[演奏]
フィルハーモニア管弦楽団

[音楽作曲/指揮]
アンドリュー・パウエル

[顧問]
トム・マンキウィッツ

[美術]
ウォルフ・クレーガー

[撮影]
ヴィットリオ・ストラーロ ,A.I.C.

[編集]
スチュワート・ベアード

[製作総指揮]
ハーヴェイ・バーンハード

[脚本]
エドワード・カーマラ
マイケル・トーマス
トム・マンキウィッツ

[原案]
エドワード・カーマラ

[製作]
リチャード・ドナー
ローレン・シュラー (ローレン・シュラー・ドナー)

[監督]
リチャード・ドナー



<<プロダクション>>

[提供]
ワーナー・ブラザース
20世紀フォックス

[製作]
ローレン・シュラー