<<ストーリー>>

アメフトチーム“スタリオン”の選手ビリー・コールがゲーム中にピストルで相手選手を撃ち、その場で自ら命を絶つという事件が起こった。コールにプレッシャーをかけていたのは、“スタリオン”オーナー、マーコン・シェリーであったが、その事実が明るみに出ることはなかった。
私立探偵ジョーが自らを“負け犬”と呼ぶには理由があった。彼は、かつてシークレットサービスに属していて、大統領を守ったこともあった。だが、彼の誇り高い経歴も、ベイナード上院議員の護衛にあたった時に途絶えてしまった。ジョーは、ベイナードがホテルの部屋で女性に虐待を加える現場を目撃してしまったのだ。ベイナードの命令でジョーは即刻クビになった。
ある朝、ベガスで大マケしたジョーが、仕事の相棒で親友のマイクから仕事の依頼を受けるため、妻と娘の待つ家に帰ってきた。ジョーと妻サラの間はすでに冷え切っていて、十三歳になる娘のダリアンもサラに倣ってジョーのことを憎んでいた。もはや家庭は崩壊寸前であった。いつものように、サラと悪態をつきあつていたジョーは、部屋の様子がおかしいことに気付き、探偵の経験と勘から部屋のどこかに男が隠れていることに見抜いた。ジョーがクローゼットに銃を向けて秒読みを開始すると、中から飛び出してきたのはマイクだった。サラが親友と浮気していることを知っても、すでに心の枯れたジョーに怒りになかった。ただ、自分の馬鹿さ加減にあきれていた。ジョーはマイクを家の前まで送った。マイクが車に乗ったその瞬間、ジョーの目前で車に仕掛けられていた爆弾が炸裂した。マイクは即死だった。
マイクが寄越した最後の仕事はストリッパーの護衛だった。マイクはスリップ小屋に向かい、依頼人のコリーの側についていたが、そんな彼にからんでくる黒人の男がいた。男は“スタリオン”の元クォーターで、麻薬で身を持ち崩し現役を退いたジミー・テックスだった。コリーの恋人であるジミーは、自分を差し置いて護衛についたジョーのことが気に入らなかったのだ。ジョーはジミーのことを軽くあしらうと、店の裏口から一人で外に出た。その途端、待ち伏せていた二人組みの男に頭を殴りつけられ、ジョーはその場に昏倒した。一方、ジョーはコリーを連れて夜のドライブに出ていたが、彼の車の行く手を別の車が塞いだ。意識を取り戻したジョーが駆けつけたときには、一歩遅く、コリーは不審な車から降りてきた男たに射殺されてしまった。
そのまま警官に連行されたジョーとジミーは、警察で一夜を明かすことになった。疑いが晴れて釈放されたジョーは、事件の真相を探るため、ジミーの案内でコリーのアパートを訪ねた。ジミーはアパートの秘密の隠し場所から封筒を発見した。封筒に入っていた写真にはマーコンとベイナードが写っていた。写真と一緒に入っていた盗聴テープを聴いたジミーは、コリーが生前、誕生プレゼントを用意していると話していたとこを思い出した。コリーは、ジミーをレギュラーに復帰されるため、マーコンとベイナードを脅迫していたのだった。ショックを受けたジミーはひとりでコリーの車で帰ろうとしたが、マイクの事件を思い出したジョーが止めに入った。ジョーの思ったとおり、コリーの車にはプラスチック爆弾が仕掛けられていた。と、その時、ジョーとジミーの前に不審な男たちが現れ、コリーの封筒を要求していた。なかなか封筒を渡さないジョーにしびれを切らした男は、トランクに銃をぶっぱなした。その瞬間、中のプラスチック爆弾が炸裂。ジョーとジミーは無事だったが、証拠の盗聴テープは車と一緒に焼失してしまった。
ジョーは、コリーの復讐を誓うジミーと引き続き手を組んで捜査を続けることにし、いったん自宅に戻った。居間はダリアンがいたが、パーティに行くことを禁じられたことを怒っていて、父ジョーには悪態をつくばかり。娘の発した「クズ」という言葉に反応したジョーも、むきになって反撃した。そんな親子の様子を見ていたジミーは、かつて自分には妻がいたが、臨月中に事故で失っていたことを打ち明けた。ジョーは、「人生はクソ」だと言うジミーが自分の同類であることを知るが、その直後、彼が台所で麻薬をやっているところを見てしまった。激しく憤ったジョーはジミーを家からたたき出した。ジミーはドアの前まで送ってくれたアマンダから、ジョーが自分の大ファンだということをこっそり教えられた。
翌日、ジミーは町で再び不審な男に襲われ、殺されかけた。一方のジョーも自宅を訪ねてきた殺し屋マイロに襲われて、気絶。車で連れ去られた。意識を取り戻したジョーの前に現れたのはマーコンだった。アメフト賭博の合法化をもとめていたマーコンは、法外なワイロを要求するベイナードが邪魔になり、彼を殺すことにしたのだという。そして、そのスケープゴートにジョーを選んだのだった。その頃、警察はマイク殺しをジョーの仕業と睨み、ジミーに居場所を聞き出そうと躍起になっていた。釈放されたジミーは女友達から聞き出したベイナードの家に向かった。だが、彼のあとをこっそりダリアンがつけていきていた。ジミーがダリアンを追い返そうとしていた時、ベイナードのボディガードが車で出発した。ジミーはやむを得ず、ダリアンと一緒にボディガードの車の後を追った……。



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