ギリシャ神話で有名な勇者ペルセウスの冒険をSFXを駆使して描くアドベンチャー。
タイタンの戦い
CLASH OF THE TITANS
1981
イギリス
118分
カラー
<<解説>>
ギリシャ神話の中でも最メジャーな、勇者ペルセウスの冒険を基にしたアドベンチャー作。特撮を担当したのは、「シンドバッド」シリーズで有名なハリーハウゼン。同じくギリシャ神話を材にとった『アルゴ探険隊の大冒険』では、劇中に登場する巨人タロスを動かし、当時の多くの子供たちにトラウマを植え付けたというダイナメーション(コマ撮りアニメ)の巨匠である。
本作では、ペガサスやメデューサなどの神話でお馴染みのクリーチャーたちが、ダイナメーションで映像化されている。ダイナメーション自体は、SFXが飛躍的に発展しつつあった当時、すでに使い古されたローテクだっだが、今改めて観ると味があって楽しい。CGアニメとセルアニメの比較にも通じるが、人の手のかかったアニメからは名状し難い迫力が感じられ、子供のトラウマになったことも納得がいく。本作は、ハリーハウゼンの最終作となってしまったが、CG全盛の現在、再評価の声が高まっている。
ストーリーの大筋は神話どおりだが、あくまで神話を“基”にしているのであり、遊び心にあふれた多少の味付けが見られる。ペルセウスと行動を共にするフクロウ型のロボットがその一つ。子供受けを狙ったようで、神話の世界にはちょっと場違いではあるが、コミカルが動きでペルセウスの良い引き立て役になっている。
主演以外の“神”役の俳優iは手堅くベテランが配されていている。この物語の中では悪役となるゼウスには名優ローレンス・オリヴィエが扮し、貫禄の芝居を見せる。
<<ストーリー>>
アルゴスの国王の娘が最高神ゼウスとの間にペルセウスという名の男児をもうけた。だが、娘の不義に怒ったアルゴス王はペルセウスを海へ流してしまったのだった。その様子を天界から知ったゼウスは海神ポセイドンに命じ、海獣クラーケンを使ってアルゴスを滅ぼした。
アルゴの災禍から生き延びたペルセウスは、やがてたくましい若者に成長した。その頃、ゼウスは、女神テティスの息子カリボスが無益な狩を繰り返すことに怒り、彼を醜い獣の姿に変えてしまっていた。一方、テティスはゼウスの息子に対する仕打ちに対抗し、ペルセウスをカリボスの居る町ヨッパへと送ったのだった。
カリボスにはアンドロメダという美しい婚約者がいた。カリボスがあのようなと姿になり、結婚が出来なくなってしまったため、アンドロメダは新たに求婚者を募っていた。だが、テティスの呪いにより、求婚が許されるのはアンドロメダの出す謎に答えられる者のみだった……。
<<キャスト>>
[ペルセウス]
ハリー・ハムリン
[アンドロメダ]
ジュディ・バウカー
[アモン]
バージェス・メレディス
[テティス]
マギー・スミス
[アフロディーテ]
ウルスラ・アンドレス
[ヘラ]
クレア・ブルーム
[カシオペア]
シアン・フィリップス
[魔女]
フローラ・ロブソン
[ゼウス]
ローレンス・オリヴィエ
[サロー]
ティム・ピゴット=スミス
[カリボス]
ニール・マッカーシー
[アテナ]
スーザン・フリートウッド
[ポセイドン]
ジャック・グウィリム
<<スタッフ>>
[監督]
デズモンド・デイヴィス
[製作]
チャールズ・H・シニア
レイ・ハリーハウゼン
[脚本]
ビヴァリー・クロス
[撮影]
テッド・ムーア
[視覚効果]
レイ・ハリーハウゼン
[音楽]
ローレンス・ローゼンタール
[装飾]
ドン・ピクトン
ピーター・ハウイット
ジョルジォ・デシデーリ
フェルナンド・ゴンザレス
[編集]
ティモシー・ギー
[衣装デザイン]
エマ・ポーテウス