<<ストーリー>>
どんな職業についても仕事が覚えられず、直ぐにクビにされてしまうガス・ゴーマンは目下失業中。なんのとりえのなかった彼だったが、コンピュータをひとたび学ぶと、隠されていた才能を開花させたのだった。
ゴーマンはコンピュータ企業ウェブスコウにプログラマとして晴れて入社。だが、給金が約束されていた額より低いことが不満だった。悪知恵を働かせたゴーマンはコンピュータを不正操作し、全社員から切り捨てられた給金の端数を集めて自分の口座に入金させた。
スーパーマンの正体を隠し、冴えない新聞記者として働くクラーク・ケント。ロイスがバミューダへ休暇に行っている間、クラークはカメラマンのジミーを連れて、故郷スモールビルへ取材に向かっていた。その道すがら、クラークたちは化学工場の火災に遭遇。工場内には熱で腐食することで爆発を起こす酸があり、予断を許さない危険な状態だった。クラークはスーパーマンに変身すると、近くの湖の水を冷たい息吹で凍らせ、工場の上に雨として降らせた。火災は沈下するが、スクープ目当で工場に飛び込んだジミーが怪我を負った。
ジミーが治療でメトロポリスに戻ってしまったため、クラークは一人で故郷に向かった。高校の同窓会に出席したクラークは、初恋の相手であるかつての学園の女王ラナ・ラングと再会した。すでに甲斐性なしの亭主と離婚していたラナはクラークと意気投合。後日、一緒出掛けたピクニックでは、ラナの一人息子のリッキーに懐かれたクラーク。まんざらでもない彼はリッキーにせがまれるまま、スーパーマンを誕生日に招待することを約束させられてしまうのだった。
ウェブスコウの社長ロス・ウェブスターは社員の横領に気付き、直ぐにその犯人ゴーマンを特定した。だが、ウェブスターの目的は犯人を追及することではなかった。彼はゴーマンの天才的な才能を買い、彼に特命を与えたのだ。ウェブスターはコーヒー価格の操作を企んでいて、それに従わないコロンビアのコーヒー市場へコンピュータの力で大打撃を与えようというのである。
コロンビアへの攻撃工作の役目を負ったゴーマンはスモールビルにあるウェブスコウの出張所を訪ねた。コンピュータの発信源の追跡を避けるためである。ゴーマンは所員のブラッドを酒で眠らせると、所内のコンピューターから気象衛星の地球探査プログラムを操作し、コロンビア一帯に大嵐を引き起こした。
ウェブスターは計画の成功を秘書のローレライと祝っていたが、スモールビルから戻って来たゴーマンから思わぬ報告を受けることになった。コロンビアの被害がスーパーマンの活躍によって最小限に食い止められたというのだ。ウェブスターは、次なるオイル市場独占計画にもスーパーマンが邪魔になると考えると、唯一の弱点であるクリプトンの隕石“クリプトナイト”と同じ成分の物質を合成することをゴーマンに命じた。クリプトンの隕石を取り寄せて分析したが、一部不明な物質が含まれていた。ゴーマンは思いつきで、不明な物質の代わりにタールを追加し物質を合成した。
スーパーマンは約束を守り、リッキーの招待を受けた。そこへ、ゴーマンが登場。スーパーマンはプレゼントとして差し出された“クリプトナイト”を受け取ってしまた。だが、ゴーマンの合成した“クリプトナイト”は不完全だったため、スーパーマンの肉体にダメージを与えない代わりに、彼の心に異変をもたらした。スーパーマンは正義のために活躍することに消極的になった。ピサの斜塔を真っ直ぐにするといった悪戯をするようになり、性格も次第に意地悪くなっていった……。
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