スーパーマンの故郷クリプトン星から凶悪犯罪者三人組が地球にやってきた。
同等のパワーを持つ三人にスーパーマンは大苦戦!
スーパーマンU
冒険編
SUPERMAN II
1980
イギリス
127分
カラー
<<解説>>
前作のヒットを受けて製作された続編。同時に第三弾も企画されていたというところは、『スターウォーズ』を代表とするヒットシリーズの黄金パターンだった。
今回のスーパマンの敵は、前作の冒頭にちょっとだけ登場し、観客からもすっかり忘れられていたた犯罪者三人組。かなり強引ではあるが、偶然の積み重ねから地球にやって来てきた三人組が、自分たちを裁いた科学者の息子であるところのスーパマンに復讐を企むというストーリー。前作の敵役ハックマンは完全に三枚目の役に回っている。
スーパーマンの活躍の一方では、クラークとヒロイン・ロイスの仲に進展があり、ちょっとせつないロマンスが描かれていく。本作のテーマをひとことで言うならば“愛”。一人の女性への愛をとるか、全人類に対する愛とるか、究極の選択を迫られるスーパーマンの姿がドラマ部分の見どころ。
スーパーヒーローの誕生を描いた前作には、彼と渡り合える強敵は存在していなかったが、今回はヒーローと同等以上の力を持つ相手とのガチンコ対決を観ることが出来る。ついにスーパーマンが本気を出す、クライマックスの夜のビル街での空中戦は、SFXもパワーアップし、より見応えがある場面となっている。
<<ストーリー>>
テロリストがパリのエッフェル塔を占拠し、水爆で街を脅すという事件が発生した。クラーク・ケントがデイリー・プラネット社のオフィスで事件のことを知らされた時、すでに同僚のロイス・レーンは現地に飛んだ後だった。
ピューリッツァー賞の野心に燃えるロイスは一人で警察の警備を突破した。そして、塔のエレベータの下部に潜み、スクープのチャンスを窺っていた。だが、エレベータのワイヤーが切れてしまい、ロイスは水爆と一緒に急降下。彼女が自分の無謀な行動を後悔したその時、スーパーマンが駆けつけてエレベータを受け止めた。
スーパーマンはそのままエレベータと一緒に宇宙空間に飛び出し、銀河のかなたで水爆を爆発させた。だが、その核爆発の勢いでファントムゾーンが破壊され、二次元に閉じ込められていた悪党ゾッド将軍と手下のアーサとノンが解放されてしまった。
刑務所の中の悪党ルーサーはスーパーマンを倒すための秘策を研究していた。スーパーマンはスピードが速すぎてレーダーで捉えることが出来ないが、彼の発するアルファ波を探知する装置を密かに完成させていた。ルーサーは手下のオーティスを連れて脱獄を図っるが、迎えに来たテシュマッカーの気球が重量オーバーに。結局、オーティスだけが置いてけぼりにされた。
ルーサーとテシュマッカーはアルファ波の発信源である北極を一路目指し、スーパーマンの“家”である砦にたどり着いた。砦に設置されていたスーパーマンの教育プログラムを機動させたルーサーは、クリプトン星の暗黒の歴史の一部であるゾッド将軍のことを知り、スーパーマンを倒すために彼らを利用することを思いついた。
ファントムゾーンを抜けだし宇宙空間を漂っていたゾッド一味は、地球の衛星である月に到達した。月面で作業していた宇宙飛行士たちをいとも簡単に投げ飛ばした上、宇宙船を破壊したたゾッド一味は、自分たちに強い力が身についていることに気付いた。彼らは宇宙飛行士が交信していた“ヒューストン”を目指し、地球に向かって飛んでいった。
クラークとロイスは新婚夫婦を偽り、ナイアガラへハネムーンの取材にやってきていた。二人が滝の観光をしている時、少年が滝壷に落ちる事故が起こるが、スーパーマンが現れ、間一髪、少年を救った。ロイスは、スーパーマンの活躍している間、なぜかクラークの姿が消えていたことに疑問を抱いた。クラークとスーパーマンが同時には現れないという事実から、二人が同一人物であると睨んでいたロイスは、それを証明するために、自ら急流に飛び込みスーパーマンの助けを待った。だが、スーパーマンは現れず、ロイスはクラークの助けで岸に這い上がったのだった。
クラークはロイスに正体がばれないよう、細心の注意を払っていたつもりだった。だが、ホテルの部屋に戻った時に、ロイスの目の前でうっかり暖炉に手を突っ込んでしまった。火傷ひとつ追わなかった彼の手を見て、ロイスは自分の考えが正しかったことを確信した。
ゾッドたち三人がアイダホ州ヒューストンに降り立った時、彼らの身には超能力が備わっていた。それはスーパーマンと同等の力だった。自分たち力に酔いしれたゾッド一味は、この力を使って地球を支配することを思い立ち、まず手始めに近くの村を破壊した。続いて、ホワイトハウスを襲撃したゾッド一味は、大統領を足元にひざまずかせた……。
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