名門大学を卒業し社会に出た七人の若者たちの成長を描く青春群像劇。

セント・エルモス・ファイアー

ST. ELMO'S FIRE

1985  アメリカ

110分  カラー



<<解説>>

タイトルの“聖エルモの火”とは、嵐の海の中、雲と船のマストの間に発生する放電現象のことで、伝説では航海の道しるべと信じられていた。本作は、厳しい社会を荒れる海になぞらえて、“聖エルモの火”を迷い求める若者たちの姿を若手スター総出演で描く。ファッション性やロマンス色ばかりが際立ってしまっているが、若者たちの成長をしっかりと描き、正統派の青春ドラマとしてうまくまとまっている。社会に対してせいいっぱい背伸びをする若者たちの姿は、気恥ずかしくも甘酸っぱいものがあり、リアルタイムで見た観客とっては特別の思い入れがある作品のようだ。限定された人間関係の中で友情や恋愛を描くスタイルは、当時の日本のトレンディドラマに多大な影響を与えた。



<<ストーリー>>

名門大学を卒業し、社会に出た七人の仲間が、ビリーとウェンディの交通事故をきっかけに再会することになった。七人はそれぞれ別の人生を歩み始めていることを確認しあった。
学生結婚で妻子のあるビリーはミュージシャンという夢もっていた。ビリーはそのいい加減な性格のために、就職してもクビになりつづけていたが、そんな彼にウェンディは密かに思いを寄せていた。一方、弁護士を目指すカービーはビリーの事故をきっかけに、憧れの先輩の女医デールと再会していた。
仲間の中でいちばんの野心家のアレックは政治家の秘書を渡り歩いていた。アレックは同棲中のレズリーとの結婚を仲間に発表するが、彼女に拒まれてしまった。実はレズリーは、ジャーナリストを目指すケビンに思いを寄せていたのだ。
銀行に就職したジュールズは出世のためにボスの愛人になっていた。だが、やがてボスに捨てられたジュールズは鬱状態になり、部屋にとじこもってしまった……。



<<キャスト>>

[カービー]
エミリオ・エステヴェス

[ビリー]
ロブ・ロウ

[ケビン]
アンドリュー・マッカーシー

[ジュールズ]
デミ・ムーア

[アレック]
ジャド・ネルソン

[レズリー]
アリー・シーディ

[ウェンディ]
メア・ウィニンガム

[ビーミッシュ氏]
マーティン・バルサム

[デール]
アンディ・マクダウェル

[ビーミッシュ夫人]
ジョイス・ヴァン・パタン

[フェリシア]
ジェニー・ライト

[ウォーリー]
ブレイク・クラーク

[ハウィ]
ジョン・カトラー

[ロン]
マシュー・ローレンス



<<スタッフ>>

[監督]
ジョエル・シューマカー

[製作]
ローレン・シュラー

[脚本]
ジョエル・シューマカー
カール・カーランダー

[撮影]
スティーヴン・H・ブラム

[音楽]
デイヴィッド・フォスター

[製作総指揮]
ネッド・タネン

[美術]
ロバート・グールド
チャールズ・M・グラフェオ

[装飾]
ウィリアム・サンデル

[編集]
リチャード・マークス

[衣装デザイン]
スーザン・ベッカー

[キャスティング]
マーシ・リロフ
ジェニファー・シャル