<<ストーリー>>

銀河系のはずれの惑星クリプトン。反乱を企てたソッド将軍ら三人組の悪党が裁判にかけられ、ファントム・ゾーンへ追放された。だが、皮肉にもクリプトンは太陽の異常接近で滅びる寸前であり、一方のソッド将軍たちはファントム・ゾーンで永遠に生きることになった。科学者ジョー・エルはソッド将軍たちを追放したことが自殺行為だったと訴え、30日以内に惑星から離れるよう説得するが、科学者の長老たちは耳を貸そうとしなかった。
惑星に残ることを決意したジョー・エルはせめて生まれたばかりの息子カル・エルだけは助けたいと願い、彼に自分の能力と知識を与えると、クリプトンと環境の似ている地球に向けて宇宙船で出発させた。地球はクリプトンと重力が異なるため、カル・エルは無敵の力を得るだろう。三年間の宇宙船の旅の中で、カル・エルは地球の文明についての教育を受けた。その中でも「人類の歴史は変えてはならない」というのが、重要な教えの一つだった。
宇宙船はアメリカのとある畑の真ん中に落ちた。カル・エルは偶然、そこに車で通りかかったジョナサン・ケントとマーサの中年夫婦に拾われた。子宝に恵まれないジョナサンとマーサはカル・エルを天から授かったものと信じ、二人で育てることにした。カル・エルは幼い頃からとてつもない怪力を発揮していた。だが、列車より速く走り、フットボールでも活躍できるのに、カル・エルはその能力を見せつけることをジョナサンに禁じられ、不遇な青春を過ごした。ジョナサンは、「ここに遣わされたには何か意味があるはず」と息子に言い聞かせていた。
カル・エルが18歳になったある日、ジョナサンが急死した。大な力があるのにジョナサンを救うことが出来なかったことで、カル・エルは自分の無力を責めた。葬儀が済んだ夜、カル・エルは何かに導かれるように納屋に向かい、緑色のクリスタルを発見した。それはカル・エルと一緒に宇宙船に乗せられていたものだった。カル・エルはクリスタルを手にしたのを機に旅立ちを決意し、マーサに別れを告げた。
北極にたどり着いたカル・エルは、手にしたクリスタルを氷河に投げ入れた。すると、氷河が立ち上がり、そこに氷の砦が出現した。砦の中でジョー・エルの幻影と出会ったカル・エルは、地球の人類を救うという使命を教えられた。ジョー・エルにいざなわれ、時間と空間を越えた世界に旅立ったカル・エルは、そこでありとあらゆる知識を学んだ。そして、12年の歳月を得て、カル・エルは正義の男スーパーマンとして目覚めたのだった。
カル・エルは自分の力を悟られないよう、普段はさえない青年クラーク・ケントとして暮らすことになった。大都会メトロポリスにある新聞社デイリー・プラネットに入社したクラークは、同僚の女性記者のロイス・レーンと出会った。街を歩いていた時のこと、路地に潜んでいた強盗に襲われたクラークとロス。ロイスに向けて発射された銃弾を、クラークは彼女に気付かれないよう、間一髪で受け止めた。ロイスの反撃にあって逃げ出したちんけな強盗オーティスは、地下鉄の路線の途中にあるドアを潜り、地下室に訪ねた。そこは、土地転がしで財をなした不動産王レックス・ルーサーの秘密アジトである。自称“世界一の悪党”のルーサーは近々、数百万人の命を巻き込む大悪事の計画を持っていた。
その夜、街にやってくる大統領の取材に出かけるため、ロイスはビルの屋上のヘリで出発しようとしていた。だが、ヘリにワイヤーが引っかかって操縦不能となり、ビルから転落しそうになった。ビルの下でロイスの危機を目撃したクラークは、青いタイツ、赤いマント、そして、ブーツという姿の超人スーパーマンに変身した。そして、ビルから転落したロイスを空中で受け止めたのだった。ロイスを安全なところに移たスーパーマンはさっそうと飛び去っていった。
その後も、宝石泥棒を捕まえたり、木の上の猫を助けたり、墜落しそうになってた大統領専用機を無事に航行させたりと、一晩中の大忙しスーパーマン。彼の活躍は、街の沢山の人々が目撃することになり、一躍ヒーローになった。はじめて人のために働いたことスーパーマンは、そのことを北極の家のジョー・エルに報告した。こんなことをしていて自分を見失いはしないかと不安を口にする息子に、ジョー・エルは、人類を甘やかさないために正体だけは明かさないよう言い聞かせた。
スーパーマンの取材合戦にデイリー・プラネットも加わり、編集長は独占取材をしてくるよう記者たちにはっぱをかけた。ロイスに心惹かれていたクラークは、これがチャンスと考え、彼女を匿名で夕食に誘った。約束を守り、自宅で待っいたロイスの前に現れたのはスーパーマン。ロイスの取材に誠意を持って応じたスーパーマンは、取材の後、彼女を夜の空中散歩に連れて行った。夢のようなひと時を終え、自宅のバルコニー戻ってきたロイスを今度はクラークが訪ねてきた。クラークは自分がスーパーマンであることを告白しようとするが……。



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