黒人ギャングと中国人マフィアの抗争と裏に潜む陰謀に巻き込まれる元警官の姿を描く。
体が透けて骨が見える(?)という新発想のX−rayバイオレンス。

ロミオ・マスト・ダイ

ROMEO MUST DIE

2000  アメリカ

115分  カラー



<<解説>>

ジェット・リーが悪役として出演した『リーサルウェポン4』の監督と再び組んだマーシャルアーツ・アクション。『マトリックス』のスタッフが作ったと言われていたが、実際はプロデューサーと技術スタッフ(MVFX)が同じという程度であり、作風はまったく異なっている。ただし、物理法則を無視した超絶アクションは『マトリックス』と共通していて、ジェット・リーがとにかくよく宙を舞う。武術家としてのリーの生身のアクションは期待できないが、現実を舞台した物語に剣劇風のアクションを持ち込んだファンタジーとして楽しめる。本作のもう一つの目玉は“X−Rayバイオレンス”なるもの。リーの技がキマった瞬間、まさにレントゲンのようなCG映像でやられた相手の骨が透けて見せ、アクションの派手さ演出している。その他、変わったアクション・シーンというと、ヒロインの体を武器にするというもの。女には手を挙げられないという理由でヒロインの拳や足を使って戦うという、ジャッキー・チェンがやりそうなコミカル動きにも挑戦している。スートーリーはタイトル通り、マイノリティ同士の抗争という構図に「ロミオとジュリエット」を意識したもので、クライマックスには実際に台詞として使われる。ミュージシャンの故アリーヤやDMXの出演も話題にもなった。



<<ストーリー>>

オークランドのウォーターフロントで、勢力を二分する黒人ギャングと中国人マフィア。NFL誘致のためのスタジアム建設にのからむ地上げの大仕事のため、抗争のはじまりが予感されていた時、中国人マフィアのボス、チュー・シンの息子、ポーが何者かに殺害された。
ポーの兄で元警官のハンは、過去に香港で父たちの犯罪を見逃したために、シンカン刑務所で服役していた。だが、弟の死を知ったハンは看守の隙をついて刑務所を脱走した。オークランドに到着したハンはひょんなきっかけで、黒人ギャングのボス、アイザック・オーデイの娘トリシュと出会った。
弟の部屋を調べたハンは、弟が殺される直前に、なぜか彼がトリシュの経営する店に電話をかけていたことに気付いた。トリシュと会ったハンは、その電話がトリシュの兄、コリンへ何か重要なことを告げるためにかけられた可能性があることを知った。だが、その夜、コリンは何者かに殺されてしまった。オーデイは息子の復讐を誓い、二つの勢力の間で一触即発の緊張が走った。
弟の車を調べたハンは、何かの住所のリストを発見した。ハンがトリシュと一緒に、リストに載っていた工場を訪ねると、そこには父の部下ビクターたちの死体が横たわっていた。その時、殺し屋が現れ、ハンとトリシュに襲い掛かった。ハンが殺し屋の正体を暴くと、それは意外にも中国人の女だった。実は、二つの組織の抗争の裏にはある黒幕による陰謀があったのだ……。



<<キャスト>>

[ハン・シン]
ジェット・リー (リー・リンチェイ)

[トリシュ・オーデイ]
アリーヤ

[マック]
アイザイア・ワシントン

[カイ]
ラッセル・ウォン

[シルク]
DMX (ダーク・マン・エックス)

[アイザック・オーデイ]
デルロイ・リンドウ

[コリン・オーデイ]
D・B・ウッドサイド

[チュー・シン]
ヘンリー・オー

[ポー・シン]
ジョン・キット・リー

[ビンセント・ロス]
エイドアード・バレリーニ

[モリース]
アンソニー・アンダーソン



<<スタッフ>>

[監督]
アンジェイ・バートコウィアック

[製作]
ジョエル・シルヴァー
ジム・ヴァン・ウィック

[共同製作]
ウォーレン・カー

[製作総指揮]
ダン・クラッチョロ

[製作補]
ミッチェル・カプナー
イライゼ・ロイトリンガー

[原案]
ミッチェル・カプナー

[脚本]
エリック・バーント
ジョン・ジャレル

[撮影]
グレン・マクファーソン

[美術]
マイケル・ボルトン

[編集]
デレク・G・ブリーキン

[音楽]
スタンリー・クラーク

[武術指導]
コーリー・ユアン

[特殊効果]
マネックス・ヴィジュアル・エフェクツ (MVFX)

[キャスティング]
ローラ・ケネディ