ワルシャワ蜂起で追撃され、地下水道に逃げ込んだパルチザンの姿を描く戦争ドラマ。
『世代』に続く“抵抗三部作”の第二部作。
地下水道
KANAL
1957
ポーランド
95分
モノクロ
<<解説>>
第二次大戦の末期にドイツ占領下のワルシャワでポーランドの民衆が蜂起した歴史に残る凄惨な市街戦を題材にした作品。抵抗は失敗に終わり、二十万人以上の犠牲を出したという事実があるが、本作は、死ぬことを覚悟しまでも抵抗しつづけた民衆へ捧げる鎮魂歌のような作品となっている。物語はほとんどが地下で展開され、暗がりの中を彷徨う兵士たちの絶望や焦燥は、観ているだけで息が詰まりそうなほど、真に迫っている。地上への出口を見つけようともがく兵士たちの姿は、まさに当時のポーランドの置かれた立場を象徴するかのようだ。本作に続く三部作の最終作は『灰とダイヤモンド』。
<<ストーリー>>
1944年のワルシャワ。ドイツ占領軍に対して蜂起したポーランド抵抗軍は、甚大な犠牲を出し、今や全滅寸前だった。ドイツ軍に囲まれた抵抗軍中隊は、地下水道を通って、安全な中央区へ逃げることを決意。中隊は夜、下水の流れる地下の暗がりの中へと出発するが、ドイツ軍のガス攻撃に遭って、思うように進めなかった。
道案内のデイジーと大佐は、負傷したコラブ中尉を運んでいたため、中隊から遅れをとっていた。その頃、先導の中隊は、出口を見つけられずに迷っていた。デイジーたちは、中隊よりも先に目的の出口にたどり着くが、疲れ果てた大佐に梯子を登る体力は残されていなかった。
緊張と疲労が頂点に達した大佐が狂い始めた頃、デイジーは川へつながる別の出口を見つけた。だが、無慈悲にもそこには鉄格子がかけられていた……。
<<キャスト>>
[デイシー]
テレサ・イジェフスカ
[コラブ]
タデウシュ・ヤンチャル
[ザドラ]
ヴィンチェスワフ・グリンスキー
[クラ]
タデウシュ・グヴィアツドウスキー
[スムクリー]
スタニスラフ・ミクルスキー
[マドリー]
エミール・カレヴィッチ
[テレスカ]
テレサ・ベレツォウスカ
<<スタッフ>>
[監督]
アンジェイ・ワイダ
[原作]
イェジー・ステファン・スタヴィンスキー
「下水渠」
[脚本]
イェジー・ステファン・スタヴィンスキー
[撮影]
イェジー・リップマン
[音楽]
ヤン・クレンツ
[美術]
ロマン・マン
[製作担当]
スタニスワフ・アドラー