天涯孤独になった少女が大きなキッチンのある家で、
奇妙な親子と過ごした日々を瑞々しく描くドラマ。
吉本ばななのベストセラー小説の映画化。

キッチン

1989  日本

106分  カラー



<<解説>>

吉本ばななの短編小説を森田芳光監督が脚色し、映像化した作品。祖母を亡くして天涯孤独になった少女が、ちょっと変わった青年と、彼のオカマの父と触れ合ううち、肉親の死のショックから立ち直っていく、というのが本筋なのだが、作品全体に漂う浮世離れした不思議な清潔感に浸るだけでも心地よい。本作がデビューの川原亜矢子と松田ケイジの初々しい芝居も見どころだが、橋爪功のオカマ姿が特に絶品だ。97年には香港映画『kitchen』としてリメイクされた。



<<ストーリー>>

最後の身寄りであった祖母に死なれ、一人ぼっちになったみかげは、祖母の知り合いの雄一から、自分の家に来ないか、と誘われた。そこは、大きなキッチンのある家で、雄一はここで母親と二人暮しだった。だが、雄一から“母”として紹介され絵理子は、オカマの父親だった。
こうして、みかげと雄一と絵理子の奇妙な同居生活が始まった。料理学校で働くみかげは、雄一たちに食事を作ったりして、楽しい日々が過ぎていった。だが、ある日、みかげの前に雄一の恋人らしき女、真美が現れ、勘違いした彼女の妬みを買うことに。また、みかげは、雄一が白タクの運転手という秘密の仕事をしていることも知ってしまう……。



<<キャスト>>

[桜井みかげ]
川原亜矢子

[田辺雄一]
松田ケイジ

[田辺絵理子]
橋爪功

[松原多美恵]
浦江アキコ

[奥野真美]
松浦佐紀

[ちかちゃん]
中島陽典

[木島やす子]
浜美枝

[麦原真己]
四谷シモン



<<スタッフ>>

[監督/脚本]
森田芳光

[製作/企画]
鈴木光

[プロデューサー]
青木勝彦
三沢和子

[助監督]
明石知幸
杉山泰一

[原作]
吉本ばなな (よしもとばなな)

[撮影]
仙元誠三

[音楽]
野力奏一

[音楽プロデューサー]
長崎行男

[美術]
今村力

[装飾]
田畑照政
大庭信正
肥沼和男
熊丸一郎

[装置]
福田義昭

[録音]
橋本文雄

[効果]
伊藤進一

[照明]
渡辺三雄

[編集]
川島章正

[衣裳]
北村道子

[キャスティング]
飯塚滋

[製作担当]
坂本忠久

[スタイリスト]
石毛利枝
田中八重子

[ヘアーデザイン]
太田潤司

[ヘアーメイク]
高橋喜代子

[スチール]
井本俊康

[記録]
森永恭子

[製作進行]
金子哲男
橋本靖