未亡人と文盲の男の交流を描くドラマ。

アイリスへの手紙

STANLEY & IRIS

1990  アメリカ

104分  カラー



<<解説>>

文盲の男と彼を応援する未亡人との交流の物語だが、ヒューマン・ドラマと一口に言うには一筋縄ではいかない作品。というのも、未亡人が一人の女として、相手の男と見てしまうというところが問題となっていて、それは相手の男も同じ。二人の駆け引きや、自分との葛藤を繊細に描いていく。本作は、二大スター共演でも話題となった。これまで危険な男を数多く演じてきたデ・ニーロが、いきなり善良な役を演じているのには違和感があるが、それさえ了解すれば、朴訥とした芝居も納得。彼の達者ぶりに対抗するのは、キャリアでは引けをとらないフォンダ。新しい男との出会いに胸を熱くし、そんな自分に動揺する未亡人を生々しく演じている。



<<ストーリー>>

夫に先立たれたアイリスは、パート勤めのさみしい生活を送っていた。二人の子供ケリーとリチャードを抱えながらも、女としての欲求が積もる日々。同居している妹シャロンの妊娠も悩みの種だった。
そんなある日、バスの中で強盗に襲われたアイリスは、偶然、乗り合わせていた男スタンリーに助けられた。彼は、パート先の工場の食堂のコックだった。スタンリーは、読み書きが出来ないことを秘密にしていたが、食堂でビンのラベルを読み取ることが出来ないのをアイリスに見られてしまった。そのことが工場長にも知られたスタンリーは、仕事をクビになってしまった。
職を失い途方暮れていたスタンリーに頼まれたアイリスは、彼に読み書きを教えることになった。ところが、スタンリーは、個人教師をするアイリスのことを愛し、彼女を求めるようになった……。



<<キャスト>>

[アイリス]
ジェーン・フォンダ

[スタンリー・コックス]
ロバート・デ・ニーロ

[シャロン]
スウージー・カーツ

[ケリー]
マーサ・プリンプトン

[リチャード]
ハーレイ・クロス

[ジョー]
ジェイミー・シェリダン

[レオニデス]
フェオドール・シャリアピン

[エレイン]
ゾーラ・ランパート

[バーサ]
ロレッタ・ディヴァイン

[ベリンダ]
ジュリー・ガーフィールド

[メリッサ]
カレン・ルドウィグ

[バーニス]
キャシー・キニー



<<スタッフ>>

[監督]
マーティン・リット

[製作]
アーリン・セラーズ
アレックス・ウィニツキー

[製作総指揮]
パトリック・J・パーマー

[製作補]
ジム・ヴァン・ウィック

[原作小説]
パット・バーカー

[脚本]
ハリエット・フランク・ジュニア
アーヴィング・ラヴェッチ

[撮影]
ドナルド・マカルパイン

[音楽]
ジョン・ウィリアムズ

[美術]
ジョエル・シラー

[装飾]
アリシア・キーマン
エリック・オーボム

[編集]
シドニー・レヴィン