酔っぱらいコンビ、チャーリーとベンがレストランやホテルで巻き起こす騒動を描くコメディ。

酔いどれ2人組

( アルコール夜通し転宅 )

A NIGHT OUT

1915  アメリカ

33分  モノクロ   サイレント



<<解説>>

チャップリンの短編でお馴染みのヒロイン、エドナとの初共演作。珍しくチャーリーは相棒と仲良く登場するが、この相棒のベンがなかなか良い味を出している。他人にからむチャーリーをなだめようとするのだが、自分だけがとばっちりを受けるという損な役回り。二人の喧嘩の場面では、無表情なチャーリーに対して、コミカルな表情を作って、笑いを誘っている。舞台がホテルに移ってからは、チャーリーが美女にちょっかいを出そうとして、その連れ合いに睨まれるという定番のシチュエーションだが、本物の犬を登場させたり、エドナのアップのカットがあったりと見どころが多い。クライマックスのチャーリーが窓から転落する場面は実験的で、二階から一階にすばやくカットをつないで、落下の連続的な動きを演出している。



<<ストーリー>>

チャーリーとベンは酒場で酒をかっ食らった勢いで、高級レストランに入った。さっそく、チャーリーは隣りのテーブルの紳士にからみだした。まず、チャーリーを止めようとしたベンがは店からつまみ出された。紳士の連れの女性にまでちょっかいを出し始めたチャーリーも結局、怒った店長によって追い出されてしまった。
ベンと一緒にホテルに戻ってきたチャーリーは、向かいの部屋が美女だと知り、勇気を出してドアをノックしてみた。ところが、美女の夫は、先ほどのレストランの給仕長だった。給仕長に睨まれたチャーリーは、そそくさと荷物をまとめ、別のホテルへ移っていった。
チェックインを済ませて散歩に出たチャーリーは、勝手に出て行った彼のことを探していたベンと出くわした。チャーリーは、わめきちらすベンの頭をレンガで殴りつけ、気絶させた。一方、給仕長は、ボーイに洗濯物に穴をあけられたことに怒り、妻を連れてホテルを出た。給仕長たちが移ったのは、偶然にもチャーリーのいるホテルだった。
チャーリーはホテルに戻り、風呂の準備をしていた。向かいの部屋には、給仕長の留守番をする美女が犬と戯れていた。犬が美女の手をすり抜け、ドアを開けっ放しにしていたチャーリーの部屋に入ってしまった。美女は、犬を追いかけ、チャーリーのベッドの下にもぐりこんだ……。



<<キャスト>>

[酔っ払い]
チャールズ・チャップリン

[酔っ払いの相棒]
ベン・ターピン

[給仕長]
バド・ジェイミソン

[給仕長の妻]
エドナ・パーヴィアンス

[紳士]
レオ・ホワイト



<<スタッフ>>

[監督/脚本]
チャールズ・チャップリン

[製作]
ジェシー・T・ロビンス

[撮影]
ロリー・トザロー

[助監督]
アーネスト・ヴァン・ペルト

[製作]
エッサネイ・フィルム