キリスト教の「七つの大罪」になぞらえて行われる連続猟奇殺人事件を描くサイコ・サスペンス。

セブン

SE7EN

1995 アメリカ

127分 カラー



<<解説>>

ネタのつきかけてきた頃に登場したサイコものの傑作、と評したいところだが、これは、一種の退廃的なアート・フィルムと言って良いのかもしれない。『エイリアン3』で賛否の別れたD・フィンチャーの起死回生の作品でもあり、彼のセンスの本領が発揮された映像が見もの。ヒット作であるため、時々テレビのロードショーでかかるが、「さすがにテレビでこれは……」というような衝撃の描写が満載。画面を徹底して汚す一方、その隅々にさまざまな伏線を配置。その凶暴さと冷静さの同居が、作品のテーマにつながり、不気味さをさらに高めている。しかし、いちばん狂っているのは、脚本を書いたA・K・ウォーカーだろう。K・クーパーのタイトル・デザインも、マニアな映画ファンの間で話題となり、下から上に流れるエンドクレジットが、本編の気持ちの悪さを引きずっている。また、B・ピットが、事件に翻弄される新人刑事を好演。(特に雨の追跡シーンでは、)捨て犬のような魅力を発散させている。



<<あらすじ>>

退職間近の刑事サマセットのもとに、若い新人刑事ミルズが配属された。二人が担当することになったのは、男が胃袋に食べ物を詰め込まれて殺されるという不気味な事件だった。ほどなくして、敏腕弁護士が惨殺される事件が発生した。二つの事件の現場には、それぞれ、「大食」、「強欲」という言葉が残されていることが共通していた。サマセットとミルズは、それらの言葉から、犯人が七つの大罪になぞらえて犯行を行っていることに気付いた。
二人は、弁護士が殺された現場に残されていた指紋から、被害者に恨みがあったと見られる前科者を突き止めた。だが、その男に事情を訪ねに向ったサマセットとミルズは、衰弱死した男の死体を発見することになった。現場には、「怠惰」という言葉が残されていた。二人は、図書館の貸し出し記録を調べ、七つの大罪に関する本を借りていたドーという男を突き止めるが……。



<<出演>>

[サマセット]
モーガン・フリーマン

[ミルズ]
ブラッド・ピット

[ジョン・ドー]
ケヴィン・スペイシー

[トレイシー]
グウィネス・パルトロウ

[警官]
R・リー・アーメイ

[カリフォルニア]
ジョン・C・マッギンレイ



<<スタッフ>>

[監督]
デイヴィッド・フィンチャー

[製作]
アーノルド・コペルソン
フィリス・カーライル

[製作総指揮]
ジャンニ・ヌナリ
ダン・コルスルッド
アン・コペルソン

[脚本]
アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー

[撮]
ダリアス・コンジ

[特殊メイク]
ロブ・ボッティン

[音楽]
ハワード・ショア

[編集]
リチャード・フランシス=ブルース

[タイトル・デザイン]
カイル・クーパー

[キャスティング]
ケリー・バーデン
ビリー・ホプキンス
スザンヌ・スミス

[衣装デザイン]
マイケル・キャプラン