元CAI工作員の刑事ニコが麻薬捜査の最中に爆弾を発見。
その爆弾事件の裏には、CAIも絡む陰謀があった。
スティーブン・セガールのデビュー作。

刑事ニコ
法の死角

原題ABOVE THE LAW
製作年1988 年
製作国アメリカ/香港
上映時間99 分
色彩カラー



解説
これまで、武術指導という形で映画製作にかかわってきたスティーブン・セガールの俳優としてのデビュー作。主人公の経歴が長々説明される冒頭から、セガールのキャラクターが色濃く出たストイックな雰囲気が独特の異色刑事アクション。この頃は痩せていたようで、現在のセガールのイメージとは少し異なる。マーシャルアーツ・アクションというと、カンフーや空手といった見た目にも動きが派手な東洋武術が中心だったが、合気道を取り入れたことは当時としては新鮮だった。動きは比較的地味ながら、アクションにリアリティを追及し、セガールに叩きのめされた相手の痛みまで伝わってくる。アクションだけでなく、パム・グリア、ヘンリー・シルヴァといったB級映画ファン垂涎の共演や、サスペンスの冴えたストーリーにも恵まれ、上々のデビューを飾ることになった。



ストーリー
合気道の達人であるニコは、かつてはCIAの工作員としてベトナムで活動していた。だが、同僚が拷問に手を染めていたことに嫌気をさし、現在はシカゴで刑事に転職していた。
麻薬犯罪を担当するニコは、女刑事ジャクソンを相棒にして、麻薬密売組織のサルバーノを追っていた。ついに、麻薬取り引きの現場に踏み込んだニコたちは、そこで麻薬ではなく爆弾を発見した。ニコとジャクソンは、その爆弾事件に関する捜査を始めようとするが、なぜか、容疑者は放免され、上司から手を引きように警告された。
シカゴには、ニコの旧知であるジェナーロを教会があった。現在、ジェナーロは教会で難民たちが匿っているという。ある日、その教会で爆弾テロが起こり、巻き込まれたジェナーロ神父が死んだ。怒りのニコは、爆弾に詳しい犯罪者たちに手がかり求め、強引な捜査をすすめていった。コニの捜査を邪魔する男たちも現われ、それらを相手に相手に暴れ回ったニコは、とうとう警察から停職を言い渡されてしまった。
それでも、ニコはめげなかった。妻サラを安全な場所に移したニコは、捜査を強行し続け、事件の黒幕が、ニコとベトナム時代に因縁のあった拷問の専門家ゼーガンであることを突き止めた。サルバーノと組んで麻薬で荒稼ぎをしていたゼーガンは、上院議員ハリソンを暗殺する計画を立てていた。ジェナーロ神父は、ゼーガンの計画を知ったために狙われたのだった。
ゼーガンの計画を知っていた人物は他にもいた。教会の地下に匿われていたトマシーノ神父であり、彼はハリソン議員とも接触しようとしていた。コニとジャクソンが駆けつけた時、トマシーノ神父はゼーガンから拷問を受けていたところだった。ニコたちはゼーガンたちと撃ち合いになるが、ジャクソンが撃たれたために、ひとまず引き上げることにした。
今度は、ゼーガンの方からセガールを襲撃してきた。暗殺計画を知ったニコを消すためである。捕えられたニコは、薬物の拷問を受けそうになったが、反撃に転じてゼーガンの陰謀を潰した。そして、ニコは軍による拷問の事実を世間に告発したのだった。



キャスト
ニコ・トスカーニ
スティーヴン・セガール
ジャクソン
パム・グリア
ゼーガン
ヘンリー・シルヴァ
ルキッチ
ロン・ディーン
サルバーノ
ダニエル・ファラルド
サラ
シャロン・ストーン
チ・チ・ロマン
ミゲル・ニーニョ
ジェナーロ神父
ジョー・グレコ
フォックス
チェルシー・ロス
ハリソン上院議員
ジョー・D・ラウク
トマシーノ神父
ヘンリー・ゴディネス
クロウバー
タラマス・ラスラーラ

スタッフ
監督
アンドリュー・デイヴィス
製作
スティーヴン・セガール
アンドリュー・デイヴィス
ロバート・H・ソロ
原案
アンドリュー・デイヴィス
スティーヴン・セガール
脚本
スティーヴン・プレスフィールド
ロナルド・シャセット
アンドリュー・デイヴィス
撮影
ロバート・ステッドマン
音楽
デヴィッド・M・フランク
美術
メイハー・アーマッド
合気道指導
スティーヴン・セガール