ショーン・ペンとマドンナ主演、ビートルズのジョージ・ハリスン製作総指揮という珍作。主人公とヒロインがアヘンを手に入れようとするが、なんだかんだでたらい回しにされるという内容。そう長くない上映時間の中で、物語はとにかくめまぐるしく急展開する。

欧米人にとって、少し昔のアジアはもうファンタシーの世界なのかもしれない。善良なヤンキーが次々に登場する怪しげな人々に騙し騙され、翻弄されていく様は、ちょっとアダルトな「不思議の国のアリス」。

日本侵攻で騒然となる１９３７年の上海。その夜、麻薬王のファラディは新聞記者のタトルに、彼が“花”と呼んでいる品物を見せた。それは黄金よりも価値のある良質のアヘンだった。ファラディはタトルと共に上海から脱出の脱出を試みようとしたが、メイ・ガン率いる中国軍に追い詰められた……。

翌年、商人のウェイシーはアメリカへ帰る旅費がなくて困っているところを、女伝道師のタトロックに拾われた。ウェイシーは、負傷した中国人兵の子供を捜しているというタトロックに力を貸すことになったが、なぜか、命を狙われることに。実は、タトロックの目的は子供ではなく、兵士にかける麻酔のため、“ファラディの花”と呼ばれる訳ありのアヘンを探していたのだった。

ウェイシーとタトロックは、事情通の新聞記者タトルと会い、“ファラディの花”が亡き麻薬王ファラディの物であったことを知った。次に、ウェイシーはファラディの情婦チャイナ・ドールと会った。ウェイシーは、自分が昔の男と似ていると言うチャイナ・ドールに身を捧げることで、さらなる情報を得た。“ファラディの花”はウー・チャン・シューというギャングが隠し持っているのだという。

ウェイシーはウーチャンシューと会い、“ファラディの花”について尋ねるが、新たに“最後のフェニックス”という謎の言葉を得ただけだった。結局、“ファラディの花”はチャイナ・ドールが持っていることが分かったが、それはアヘンではなく宝石だった。ウェイシーとタトロックは再び、チャイナ・ドールと会い、宝石を引き渡すよう説得したが、宝石を狙う軍人メイ・ガンやギャングたちが現れ、争奪戦になってしまった。

爆弾の仕掛けられたベルト“上海サプライズ”によって難を逃れたウェイシーとタトロックは、“ファラディの花”をタトロックの上司バーンズに渡した。だが、バーンズの正体は死んだと思われていたファラディだった。ウェイシーは船に乗って逃げたファラディを追いかけるが、結局、宝石は価値のない偽物だったことが分かった。

冒険が終わった後、ウェイシーは上海を発つ予定だったが、タトロックに未練を残し、港に止まることにした。ウェイシーの荷物の中にはファラディが密輸しようとしていた“ファラディの花”が入っていた。