横浜港署のタカとユージの名物コンビが警察と暴力団の癒着に立ち向かう。
“あぶ刑事”劇場版第3作。
もっとも
原題 | もっとも
あぶない刑事
ABUNAI DEKA |
製作年 | 1989
年
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製作国 | 日本 |
上映時間 | 104
分
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色彩 | カラー |
舘ひろし扮する“タカ”と柴田恭兵扮する“ユージ”の刑事コンビの活躍を描く人気テレビシリーズの劇場版。劇場版としては『あぶない刑事』、『またまたあぶない刑事』に続く3作目。本作はテレビシリーズの第2弾「もっとあぶない刑事」終了後に公開されたため、タイトルに“もっとも”と冠せられている。
70年代が「太陽にほえろ!」、90年代が「踊る大捜査線」とするならば、「あぶ刑事」はまさに80年代を象徴する刑事ドラマである。根性や貧乏が美徳された70年代から価値観がひっくりかえった80年代バブル。そんな時代を反映したようなタカとユージのキャラクターが当時は新しかった。ファッションにこだわり、ジョークの掛け合いをしながら、あくまでスマートに事件を解決する刑事の姿は、時に笑いを誘うが、最後にはかっこよく決める。いわゆる、はみだし刑事を描いたコメディ・アクションだが、はみだしているのは主役二人だけでない。浅野温子、仲村トオルらが扮するレギュラーメンバーもおよそ刑事ドラマとは思えない能天気なキャラクターで、刑事ドラマとトレンディ・ドラマがない交ぜになったような作風がこのドラマの特徴である。
監督はテレビシリーズの演出も手がけた村川透。警察と暴力団の癒着に迫るというシリアスなストーリーは、70年代に松田優作と共に「遊戯」シリーズで活躍した村川監督のハードボイルド色が出ているものの、最盛期の舘ひろしと柴田恭兵の明るく元気いっばいな芝居でタカとユージのキャラクターを前面に押し出し、暗くなりがちなストーリーを吹き飛ばした感がある。人を銃を撃ちまくっても悲壮感がなく、ラストも劇場版のお約束でもある爆発オチというのも「あぶ刑事」らしく、サスペンス・アクションとコメディのバランスがとれた作品となった。
港署の刑事・鷹山と大下は、拳銃の密造を行なっている宮坂と、彼を操るをヤクザ・銀星会の前尾を追跡していた。ところが、その最中に宮坂は前尾の雇った殺し屋・結城によって殺されてしまった。
宮坂の死により、彼の関わっていた女性・真由美のもとへ結城が現れた。張り込んでいた大下は真由美を結城から守るが、一方、鷹山は真由美の恋人・北野に拉致されてしまった。北野は、十五年前の貿易商殺しの容疑者で、時効まであと数日だった。そこへ北野を狙って銀星会の連中が攻め込んできた。鷹山に守られた北野は、おとなしく身柄をあずけたのだった。
鷹山と大下は、前尾と一緒に出世していった県警の局長・本多、そして、北野の三者の間に何か癒着的な関係があると推理した。ところが、その矢先に鷹山と大下は突然、免職になってしまった。真相に近づこうとした二人に本多から圧力がかけられたのだ。鷹山と大下は、北野に証言してもらうため、彼を時効まで逃がすことにした。
鷹山と大下は警察や結城の追撃をかわしながら、北野の時効成立までの時間をかせいだ。そして、時効成立を迎えたた直後、銀星会に乗り込んだ鷹山と大下は前尾を射殺した。前尾と本多が自分たちの出世のため、麻薬の売人だった貿易商を北野に手を汚させて抹殺したというのが事件の真相だった。
キャスト
舘ひろし
浅野温子
仲村トオル
ベンガル
山西道広
御木裕
秋山武史
飯島大介
長谷部香苗
監物房子
石山雄大
木の実ナナ
衣笠健二
海一生
賀川幸史郎
加藤大樹
伊藤洋三郎
柄本明
真梨邑ケイ
刈谷俊介
佐藤仁哉
芥正彦
中原丈雄
須藤正裕
友金敏雄
高岡良平
大川ひろし
中条静夫
柴田恭兵
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スタッフ
企画
| 岡田晋吉(日本テレビ)
清水欣也(日本テレビ)
黒澤満
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プロデューサー
| 初川則夫(日本テレビ)
伊地智啓(キティ・フィルム)
服部紹男
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脚本
| 柏原寛司
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撮影
| 柳島克己
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照明
| 井上幸男
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録音
| 木村瑛二
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美術
| 小林正義
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編集
| 山田真司
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助監督
| 辻井孝夫
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キャスティング
| 飯塚滋
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記録
| 桑原みどり
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撮影(別班)
| 斉藤正広
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製作担当
| 大塚泰之
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音楽
| 都志見隆
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音楽監督
| 鈴木清司
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音楽プロデューサー
| 高桑忠男
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エンデイングテーマ
| 館ひろし「夜を抱きしめて」(ファンハウス)
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挿入歌
| 柴田恭兵「RUNNING SHOT」(フォーライフ)
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オリジナルサウンドトラック盤
| ファンハウス
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製作協力
| 潟Zントラル・アーツ
潟Lティ・フィルム
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監督
| 村川透
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