あれから18年後、相棒亡くしたエルウッド・ブルースが、
新たな義兄弟たちと共にバンドを再結成。
『ブルース・ブラザース』の待望の続編。
ブルース・ブラザース2000
原題 | BLUES BROTHERS 2000 |
製作年 | 1998
年
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製作国 | アメリカ |
上映時間 | 123
分
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色彩 | カラー |
ジョン・ベルーシとダン・エイクロイドのコンビ主演により、一世を風靡した音楽コメディ映画『ブルース・ブラザース』の十八年ぶりの続編。ベルーシの死後、続編を作るにあたり、エイクロイドの相棒として、前作にも出演したジョン・キャンディが当初は予定されていた。しかし、そのキャンディも亡くなってしまったため、感じの似ているジョン・グッドマンが起用されることになった。ブラザースに新たに警察署長が加わるというストーリーも、キャンディが前作では署長役であったことの名残か。本作は、ベルーシ、キャロウェイ、キャンディに捧げられている。
前作の冒頭のシーンは、刑務所から出所したベルーシ扮するジェイクを、エイクロイド扮するエルウッドが出迎えるというものだったが、本作もそれを再現するように、エルウッドが刑務所の門から出てくるというシーンから始まる。しかし、エルウッドはジェイクがすでに他界していることを知らされておらず、弟が迎えに来ることを信じて待ち続けるのである。そのシーンのバッグで流れる哀愁溢れるブルースも手伝い、ずいぶんと感傷的な滑り出しだ。が、追悼もそこまで。ブラザースの恩師マザー・メアリーの一喝を皮切りに、前作をしのぐクレイジーでナンセンスな世界が始まる。
シャバに出たブルース・ブラザースが金を稼ぐためにバンドを再々結成を決意し、かつての仲間を集めていくというストーリーと前作とほぼ同じ。しかし、前作のハイライトであったカーチェスを拡大させることによって、ツアーバンドの珍道中を描くロード・ムービーになった。例によって、追われながらの旅となるのだが、ブルース・ブラザースを追うは警察だけではない。ロシア・マフィアや極右組織といった、前作のナチスにも勝るとも劣らないヘンなヤツらからも付け狙われ、何がなんだかわからないことになっていく。
この辺りから、はじめの追悼ムードを吹き飛ばすかのように、クール度よりバカ度の方が上回った演出が目立ってくる。昨今の“おバカ映画”に引きずられたようなハイテンションは賛否の別れるところだが、さらに終盤はSFXを駆使し、ファンタジーの様相を呈してくる。少し意外に思える結末だが、このファンタジーなオチに、コントの世界から飛び出したブルース・ブラザースの着地点を見出したようだ。
ブルース・ブラザース・バンド総出演の他、前作に引き続いてジェームズ・ブラウン、アレサ・フランクリンらソウル界のビッグ・ネームが登場し、良質のミュージカルを披露。また、B・B・キングを筆頭とし、劇中のバンドのメンバーとして、大物ミュージシャンがこれどもかと登場。さらに、ブールス界の重鎮タジ・マハールが、役名はクレジットされていないが守衛役で出演し、オーブニングのアカペラ曲も担当している。エンドクレジットの後にはJBとブルース・ブラザースのスペシャルセッションか用意されているので、最後まで見逃さないように。
ブルース・ブラザースが起こしたあの騒動から十八年後。服役を終えたエルウッドはイリノイ州“服役者更生テクノロジー技術所”を出所した。彼は先に出所していたジェイクの出迎えを待つが、一向に現れる気配がなかった。それでもエルウッドはジェイクを信じ、刑務所の前に立ち続けた。日が暮れ、夜が明け、朝になった時、エルウッドは所長からジェイクが既に故人になっていることを知らされた。がっくりと肩を落としたエルウッドを車で迎えに来たのは、“ブルース・ブラザース・バンド”の元ドラマー、ウィリーの知り合いのマタラという若い女だった。
まずはじめにエルウッドは“シカゴ聖マリア病院”を訪ね、マザー・メアリーに出所の挨拶をした。その時、彼はブルース・ブラザースの父親代わりだったカーティスも亡くなったことを知ることに。弟と父親を同時に失い、天涯孤独になってしまったエルウッド。落ち込む彼にドにメアリーは、カーティスが不倫の恋で人妻に産ませた子供がいることを教えた。新たな義弟の出現に希望を見出すエルウッドだったが、メアリーから、院内で預かっているバスターという少年の面倒を見ること言いつけられてしまうのだった。
カーティスの子供ケイベル・チェンバレンは現在、警察署にいるらしい。さっそくエルウッドは、バスターを連れて警察署へ向かった。こんなところに厄介になっている弟なのだから、血を争えないゴロツキなのかと思いきや、エルウッドの前に現れたケイベルはなんとここの署長だった。エルウッドはケイベル署長に本当の父親の存在をばらすと、バンドへの参加をすすめた。が、数分後、エルウッドは警察署から通り放り出された。払い下げパトカーを買うための500ドルも貸してもらえず、打ちのめされたエルウッドだったが、外で待っていたバスターはなぜかケイベルの財布を手にしていた。彼は天才的なスリの腕を持っていたのだ。
ケイベルの金でディーラーのガスペロンから新“ブルース・モービル”を手に入れたエルウッドは、悪賢いバスターを弟と認め、彼と行動を共にすることにした。二人が向かったのはウィリーの経営するストリップ・バー。そこでエルウッドはダンサーだったマタラと再会した。ウィリーに頼み込み、ステージで歌わせてもうようになったエルウッドは、ある夜、ウィリーがロシア・マフィアに金を渡しているのを目の当たりにした。エルウッドは、店を食い物にするロシア・マフィアを懲らしめようと画策。マフィアの手下たちにしこたま酒を飲ますと、バーテンの大男マックと一緒に彼らをゴミ捨て場に運び、そのまま放置したのだった。だが、それがファミリーの恨みを買うことになってしまった。
エルウッドは、マフィアの一件で手を貸してくれたマックとある約束を交わしていた。それは、ステージで歌いたいというマックの希望を叶えることだった。ステージに上ったマックはエルウッドとのセッションで素晴らしい歌声を披露。だが、ショウが盛り上がったその時、マフィアのファミリーが先日のオトシマエをつけにやってきた。マフィアが放った火で店はたちまち全焼してしまうが、エルウッドは今度の騒動がきっかけで、マックという相棒を手に入れることができたのだった。
エルウッド、マイティ・マック、バスターの新生ブルース・ブラザースは、バンドを再結成するため、今はそれぞれ別の仕事に就いていてるメンバーのもとを訪ね歩いた。ベンツのディーラーをしているブルー・ルーとマット・マーフィ。ラジオDJをしているダンとクロッパー。葬儀屋をしているファビュラス。そして、テレクラを経営しているマーフ。バンドには関わりたくないと思っていた連中を強引に口説き落とすのだった。ところが、長いブランクのあるバンドにそうそう良い仕事があるわけではない。エージェンとスラインがバンドに与えられたのは、ルイジアナの妖女クイーン・ムセットの催すバンド・コンテストへの出場だった。
ヒルクレスト・モテルを出発した“ブルース・ブラザース・バンド”の一行は南部を目指していた。一方、バンドの活動再開の情報を入手したケイベルは、バスター誘拐容疑のエルウッドを逮捕せんと、州警察をあげてバンドを追跡。エルウッドたちはドライブインで警察に追い詰められるが、バクテリア作戦で窮地を逃れ、国境の橋へ。隣りの州の警察やFBIで固められていた検問は、水陸両用の“ブルース・モービル”で川の中を進み、なんなく突破。その時、河原では極右の武装集団が郵便局爆破工作の準備をしていた。“ブルース・モービル”は川底から登場した勢いで、爆弾を積んだボートを武装集団のリーダーの頭上にをふっとばし、ボートはそのまま大爆発。おかげでブルース・ブラザースは武装集団からも付け狙われるハメになったのだった。
ルイジアナへの道中、スラインがセッティングしていたもう一つの仕事はフィスティバルでの演奏だったが、連絡の行き違いでブルーグラス・バンドとしての出演になった。即興のブルーグラスで観客を盛り上げた“ブルース・ブラザース・バンド”は、警察の姿に気付くと、“ブルース・モービル”で会場を緊急脱出。だが、バンドメンバー全員を乗せて走っていた“ブルース・モービル”もついにガス欠になってしまった。エルウッドは徒歩で進むことを提案するが、バンド・メンバーは無反応。バンドの結束が崩れてしまったことを知り、挫折しかけたエルウッドだったが、バスターに勇気付けられ、再び奮い立った。「新世紀を目前にしてアメリカの伝統音楽が廃れるべきではない」とエルウッドに演説されては、バンド・メンバーたちも素直に彼に従う他はないのだった。
歩き始めてからしばらくして、“ブルース・ブラザース・バンド”は偶然、クリオファス・ジェームズ師の伝導集会に遭遇した。エルウッドたちはガソリン代を借りようと、集会のテントに入るが、そこへバンドを追ってきたケイベルたち警察に追いつかれてしまった。ケイベルがエルウッドを逮捕しようとしたその時、壇上にジェームズ師が現れた。ジェームズ師のブルースによるパワフルな説教にかつてない衝撃を受けるケイベル。次の瞬間、奇跡が起こり、ケイベルが天に舞い上がった。神の啓示を受けたケイベルは、音楽に生きることが自分本来の姿であることに気付いたのだった。ブルース・ブラザーズと同じ黒服に変身したケイベルは、地上に舞い降りると、人が変わったようにパフォーマンスを繰り広げたのだった。
キャブ(ケイベル)を新たにメンバーに加えた“ブルース・ブラザース・バンド”一行は、クイーン・ムセットの農園屋敷に到着。さっそく、待ち受けていたクイーンのオーディションを受けることに。クイーンのリクエストによりカリビアンを演奏したバンドはオーディションに合格するが、ブルース・ブラザースの四人はクイーンの妖術で石のまま固まってしまった。そして迎えたコンテスト本番。いつかの中古車ディーラー、ガスペロン率いる“ルイジアナ・ゲイター・ボーイズ”との一騎打ちとなった。“ゲイター・ボーイズ”の熱演が終り、“ブルース・ブラザース・バンド”の出番となったが、ブルースブラザースはまだ石のまま。ようやくクイーンの妖術を解かれたブルースブラザースは目の前の観客を見て状況を飲み込むと、すぐさまパフォーマンスを開始。代表曲“愛の光”で観客を沸かしたのだった。
観客の審査により、僅差で“ゲイター・ボーイズ”がコンテストに優勝した時、ロシア・マフィアと極右武装集団が会場に乗り込んできた。両者はクイーンの妖術でネズミに変えられるが、一難去ってまた一難、今度はマザー・メアリーがバスターを取り戻しにやって来た。養子に出されるのがイヤなバスターは、自分がエルウッドを誘拐することを提案。“ゲイター・ボーイズ”とのセッション中、エルウッドとバスターの二人は農園屋敷を“ブルース・モービル”で脱出。その後を彼らの逃走に気付いたパトカーの列が続くのだった。
キャスト
エルウッド・ブルース
Elwood Blues
| ダン・エイクロイド
Dan Aykroyd
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バスター
Buster
| J・エヴァン・ボニファント
J. Evan Bonifant
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マイティ・マック・マッター
Mighty Mack McTeer
| ジョン・グッドマン
John Goodman
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ケイベル・チェンバレン
Cabel Chamberlain
| ジョー・モートン
Joe Morton
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“ボーンズ”・マローン
"Bones" Malone
| トム・マローン
Tom Malone
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“ミスター・ファビュラス”
"Mr. Fabulous"
| アラン・ルービン
Alan Rubin
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“ブルー・ルー”・マリーニ
"Blue Lou" Marini
| ルー・マリーニ
Lou Marini
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マーフ
Murph
| マーフィ・ダン
Murphy Dunne
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マルコ
Marco
| ポール・シェイファー
Paul Shaffer
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マット・“ギター”・マーフィ
Matt "Guitar" Murphy
| マット・マーフィ
Matt Murphy
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スティーヴ・“ザ・コロネル”・クロッパー
Steve "The Colonel" Cropper
| スティーヴ・クロッパー
Steve Cropper
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ドナルド・“ダック”・ダン
Donald "Duck" Dunn
| ドナルド・ダン
Donald Dunn
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ウィリー・ホール
Willie Hall
| ウィリー・ホール
Willie Hall
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マザー・メアリー・スティグマータ
Mother Mary Stigmata
| キャスリーン・フリーマン
Kathleen Freeman
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モーリー・スライン
Maury Sline
| スティーヴ・ローレンス
Steve Lawrence
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マーフ夫人
Mrs. Murphy
| アレサ・フランクリン
Aretha Franklin
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マーフ夫人の友人
Mrs. Murphy's Friends
| エスター・リッジウェイ(リッジウェイ・シスターズ)
Esther Ridgeway
(The Rigeway Sisters)
グロリア・リッジウェイ(リッジウェイ・シスターズ)
Gloria Ridgeway
(The Rigeway Sisters)
グレイシー・リッジウェイ(リッジウェイ・シスターズ)
Gracie Ridgeway
(The Rigeway Sisters)
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ピケット氏
Mr. Pickett
| ウィルソン・ピケット
Wilson Pickett
|
エド
Ed
| エディ・フロイド
Eddie Floyd
|
守衛
Custodian
| ジョニー・ラング
Jonny Lang
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モテルのバンド
Motel Band
| ジョン・ポッパー(ブルース・トラベラー)
John Popper
(Blues Traveler)
ボビー・シーハン(ブルース・トラベラー)
Bobby Sheehan
(Blues Traveler)
ブレンダン・ヒル(ブルース・トラベラー)
Brendan Hill
(Blues Traveler)
チャン・キンチラ(ブルース・トラベラー)
Chan Kinchla
(Blues Traveler)
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ロニー・ブルックス
Lonnie Brooks
| ロニー・ブルックス
Lonnie Brooks
|
ジョニア・ウェルズ
Junior Wells
| ジョニア・ウェルズ
Junior Wells
|
マタラ
Matara
| シャン・ジョンソン
Shann Johnson
|
ボブ
Bob
| ジェフ・モリス
Jeff Morris
|
モリス師
Reverend Morris
| サム・ムーア
Sam Moore
|
クレオパス・ジェームズ
Cleophus James
| ジェイムズ・ブラウン
James Brown
|
| タジ・マハール
Taj Mahal
|
クイーン・ムセット
Queen Mousette
| エリカー・バドゥ
Erykah Badu
|
聖歌隊
Choir
| シャロン・ライリー・アンド・ザ・フェイス・コーラル
Sharon Riley and The Faith Chorale
|
刑務所長
Warden
| フランク・オズ
Frank Oz
|
マーヴィン・ガスペロン
Malvern Gasperon
| B・B・キング
B.B. King
|
エリゾンド警部補
Lt. Elizondo
| ニア・ピープルズ
Nia Peeples
|
ツェッツェフカヤ
Tstetsevkaya
| イゴール・ショウク
Igor Syyouk
|
イワン
Ivan
| ウィクトル・ペトシャンコ
Victor Pedtrchenko
|
ロバートソン氏
Mr. Robertson
| ダレル・ハモンド
Darrell Hammond
|
ロシア人の殺し屋
Russian Thug #1
| マイケル・ボンダー
Michael Bondar
|
ロシア人の殺し屋
Russian Thug #2
| スラフコ・ハッチヴァー
Slavko Hochevar
|
ルイジアナ・ゲイター・ボーイズ
Louisiana Gator Boys
| ジェフ・バクスター
Jeff Baxter
ゲイリー・U・S・ボンズ
Gary U.S. Bonds
エリック・クラプトン
Eric Clapton
クラレンス・クレモンズ
Clarence Clemons
ジャック・ディジョネット
Jack de Johnette
ボ・ディドリー
Bo Diddley
ジョン・ファディス
Jon Faddis
アイザック・ヘイズ
Isaac Hayes
ドクター・ジョン
Dr. John
トミー・“パイプス”・マクドネル
Tommy "Pipes" McDonnell
チャーリー・マッスルホワイト
Charlie Musselwhite
ビリー・プレストン
Billy Preston
ルー・ロウルズ
Lou Rawls
ジョシュア・レッドマン
Joshua Redman
ココ・テイラー
KoKo Taylor
トラヴィス・トリット
Travis Tritt
ジミー・ヴォーン
Jimmie Vaughan
グローヴァー・ワシントン・ジュニア
Grover Washington, Jr.
ワイリー・ウィークス
Wylie Weeks
スティーヴ・ウィンウッド
Steve Winwood
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スタッフ
キャスティング
Casting
| ロイ・クライズデイル
Ross Clydesdale
ジョアンナ・コルバート
Joanna Colbert
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振付
Choreographer
| バリー・ラザー
Barry Lather
|
音楽
Music by
| ポール・シェイファー
Paul Shaffer
|
衣装デザイン
Costume Designer
| デボラ・ナドゥールマン
Deborah Nadoolman
|
制作補
Associate Producer
| グレイス・ギルロイ
Grace Gilroy
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編集
Editor
| デール・ベルディン
Dale Beldin
|
美術
Production Designer
| ビル・ブロディ
Bill Brodie
|
撮影
Director of Photography
| デイヴィッド・ヘリントン
David Herrington
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原作
Based on
| 「ブルース・ブラザース」
"The Blues Brothers"
ダン・エイクロイド
Dan Aykroyd
ジョン・ランディス
John Landis
|
製作
Produced by
| ジョン・ランディス
John Landis
ダン・エイクロイド
Dan Aykroyd
レスリー・ベルツバーグ
Leslie Belzberg
|
脚本
Written by
| ダン・エイクロイド
Dan Aykroyd
ジョン・ランディス
John Landis
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監督
Directed by
| ジョン・ランディス
John Landis
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プロダクション
提供
presents
| ユニヴァーサル映画
Universal Pictures
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