一般作としてはこれがデビューとなる周防監督が、独特の軽いノリで同名コミックを映像化した作品。能天気な大学生活から、ストイックな僧侶という真逆の世界に放り込まれた若者の戸惑いや奮闘を面白可笑しく描いているが、厳しい修行を根性で乗り切るのではなく、持ち前の適応能力を発揮して、僧侶ライフを謳歌してしまうという意外性が愉快。僧侶姿がバッチリ決まった主演のモックン他、竹中直人、田口浩正といったキャストにも恵まれ、いい感じに力の脱けた作品に仕上がっている。監督はこの後、『シコふんじゃった。』、『Ｓｈａｌｌ　ｗｅ　ダンス？』という同テイストの作品で立て続けにヒットを飛ばした。

都会で大学生活を謳歌する今時の若者、陽平。だが、彼は実家の寺の跡取り息子だった。父の後を継ぐために、陽平は恋人の真朱を街に残し、田舎の禅寺に入った。

弟の郁生や、寺の娘との逆玉を狙う英峻らと一緒に、想像を越える厳しい修行に絶えるが、盗み食いや夜遊びをしたりして、しばしば先輩の僧、光輝らに叱られるのだった。だが、やがて陽平は、寺でのストイックな生活に中にあるカッコよさに気付き、僧としての素質に目覚めていった。

もう少しで修行が終わると言う頃、陽平は問答式の率先役に選ばれてしまった。問答の特訓をし、万全の体制で挑んだ式には、真朱が見学にやってきていた。陽平は、ある難問に対し、真朱と抱き合うことで答えを示すが、罰として寺に残されることになったのだった。