ユーモアで人を癒すという夢に懸けた実在の医師パッチ・アダムスの半生を描くドラマ。

パッチ・アダムス
トゥルー・ストーリー

原題PATCH ADAMS
別題パッチ・アダムス
製作年1998 年
製作国アメリカ
上映時間115 分
色彩カラー



解説
自殺未遂の失意から立ち上がった男が、ユーモアで人を癒すという独特の医療の実現に情熱をそそぐ様を描いた感動作。主演のパッチ・アダムスは、ロビン・ウィリアムズが演らなくて誰がやる、というような役だ。違う映画を観ているのかと錯覚するほど暗い導入部があけると、舞台が大学に移って青春ドラマが展開するという意表をつく展開が面白い。伝記ドラマといよう、学園青春ものの色合いが強い作品だ。もちろん、パッチ・アダムスに扮するウィリアムズの(たぶんアドリブと思われる)ギャグの数々も飛び出す。ようやく愉快な話になってきたところで、突然の悲劇的な展開はかなり衝撃的。



ストーリー
自殺未遂を起こし、フェアファックス病院に入院したハンター・アダムスは、ある夜、患者の大富豪アーサー・メンデルソンから、「見えないものを見ろ」と教えられた。アーサーは、紙コップの水漏れをシールで直してくれたハンターに“パッチ(つぎあて)”というあだ名をつけた。アーサーの言葉に感銘を受けたパッチは、リスの幻影に怯える同室のルディに共感し、彼を無事にトイレへ行かせることに成功した。自分に人を癒す才能があると確信したパッチは、病院を飛び出したのだった。
パッチは、医師を目指し、バージニア医科大学に入学した。さっそく見つけた美人の同級生カリンに冷たくあしらわれてしまったパッチは、その様子を見ていたサエない同級生トルーマンと親友になった。パッチはとても頭が良かったが、彼の興味は学校の授業にはではなく、人と接してその反応を研究することあった。試験勉強に精力を傾けるカリンやルームメイトのミッチは、遊んでばかりいるように見えるパッチのことを、いまいましく思うのだった。
患者と接することができるのは三年からだったが、一年生のパッチはそれが待ちきれなかった。ある日、大学病院の小児病棟に忍び込んだパッチは、浣腸を華につけてピエロを演じ、子供たちの笑いを誘った。笑いは健康に良い、というのがパッチの持論で、事実、彼のジョークで癒された患者たちの投薬の量が減るという効果が現れた。パッチを嫌っていたカリンも、彼の優しさや理想の高さを知り、親しくなっていった。
さらに、パッチは、看護婦たちの手を焼かせていた末期のすい臓ガン患者、ビルの心を掴むことにも成功。看護婦たちには、パッチのユーモアによる治療を歓迎し、彼が病室に出入りすることを見逃すのだった。だが、権威主義の学部長ディーン・ウォルコットだけは、規律を守らないパッチを憎み、彼に退校処分を言い渡した。どうしても卒業したいパッチは、自分の成績が常にトップであることをアンダーソン学長に訴えた。パッチの治療を評価していた学長は、病室に入ることをディーンに見つからないようにするという条件付で、退校を取り消した。
ある日、パッチは、病院の受付で、瀕死の子供の面会に来た母親が書類を書かされている場面に出くわした。今見てきたことを友人たちと話し合ったパッチは、金持ちしか恩恵を受けられない理不尽な医療制度の実態を知ることに。と、その時、パッチの頭に素晴らしいアイデアがひらめいた。さっそく、パッチは、そのアイデアをカリンに披露した。誰もが面倒な書類がなくても、無料で治療が受けられる理想の病院“ホーム”。そこでは、誰もが患者であり、誰もが医師である。はじめは乗り気でなかったカリンも、パッチの熱意に動かされ、ホームの開設に協力することにした。
パッチの最終目的は、アーサーの共同出資で手に入れた広大な土地に、“ホーム”形式の病院“ゲズンハイト”を立てることだった。まず、その土地に残されていた小さな家を改築し、カリンとトルーマンと三人で“ホーム”を開設した。たちまち、“ホーム”は患者でいっぱいになった。患者の中には、自傷癖でERの常連であるラリーの姿もあった。そんなある夜、カリンは、父親からの虐待が原因で男性不信に陥っていたことを、パッチに打ち明けた。そして、パッチをずっと愛していたことも告白した。
翌朝、“ホーム”の薬品を補給するため、パッチとトルーマンは、大学病院に忍び込んだ。一方、カリンは、“ホーム”から退院していたラリーに呼ばれ、彼の家に向っていた。間もなく、学長に呼び出されたパッチは、カリンがラリーに殺され、本人も自殺したことを知らされた。理想のために恋人を死に追いやってしまった自分を責めたパッチは、トルーマンの制止を無視して、“ホーム”を解散したのだった。ミッチは、学校を出て行こうとするパッチに、食欲のない老婆アギーのことについて相談をした。だが、パッチはそれを無視して出て行った。
“ゲズンハイト”の建設予定地の崖から、パッチは身を投げようとしていた。と、その時、パッチの胸元に美しい蝶がとまった。蝶のようになりたかった、と話していたカリンのことを思い出し、情熱を蘇らせたパッチは、学校に戻り、持ち前のユーモアでアギーの食欲を快復させたのだった。だが、“ホーム”のことを知ったディーンは、パッチに再び退校を言い渡した。退校の理由は、“過度の情熱”という理不尽なものであった。
パッチは、対抗の取り消しを医師会に訴えるが、逆に、免許もなしに医療行為を行ったことについて追求されることに。パッチは、医師会の前で、医師と患者の本来あるべき対等な関係について熱弁をふるった。医師会は、現行の規律や制度に対しパッチが批判的であったことを認めながらも、革新的であることが退校の理由にならないとし、ディーンの独断を退けたのだった。
晴れて卒業したパッチは、“ホーム”形式の病院を広め、現在は、彼の理念に賛同する医師たちと共に、“ゲズンハイト”の建設をはじめている。



キャスト
パッチ・アダムス
Patch Adams
ロビン・ウィリアムズ
Robin Williams
カリン
Carin
モニカ・ポッター
Monica Potter
トルーマン
Truman
ダニエル・ロンドン
Daniel London
ミッチ
Mitch
フィリップ・シーモア・ホフマン
Philip Seymour Hoffman
ディーン
Dean
ボブ・ガントン
Bob Gunton
ジョレッタ
Joletta
イルマ・P・ホール
Irma P. Hall
イートン医師
Dr. Eaton
ジョセフ・ソマー
Josef Sommer
ビル・デイヴィス
Bill Davis
ピーター・コヨーテ
Peter Coyote
ラディ
Rudy
マイケル・ジェター
Michael Jeter
ディーン・アンダーソン
Dean Anderson
ハーヴ・プレスネル
Harve Presnell
ティタン医師
Dr. Titan
リチャード・キリー
Richard Kiley
アーサー・メンデルソン
Arthur Mendelson
ハロルド・グールド
Harold Gould
バイル
Bile
ジェイムズ・グリーン
James Greene

スタッフ
キャスティング
Casting by
デブラ・ザネム,C.S.A.
Debra Zanem, C.S.A.
衣装デザイン
Costume Design by
ジュディ・ラスキン=ハウエル(ジュディ・L・ハウエル)
Judy Ruskin-Howell (Judy L. Ruskin)
共同製作
Co-Producers
スティーヴ・オーデカーク
Steve Oedekerk
デヴォラ・ムース=ハンキン
Devorah Moos-Hankin
音楽監修
Music Supervisor
ジェフ・カーソン
Jeff Carson
音楽
Music by
マーク・シャイマン
Marc Shaiman
編集
Film Editor
ドン・ジマーマン,A.C.E.
Don Zimmerman, A.C.E.
美術
Production Designer
リンダ・デセナ
Linda Descenna
撮影
Director of Photography
フェドン・パパマイケル
Phedon Papamichael
製作総指揮
Executive Producers
マーシャ・ガーセス・ウィリアムズ
Marsha Garces Williams
トム・シャドヤック
Tom Shadyac
製作
Produced by
バリー・ケンプ
Barry Kemp
マイク・ファレル
Mike Farrell
マーヴィン・ミノフ
Marvin Minoff
チャールズ・ニューワース
Charles Newirth
脚本
Screenplay by
スティーヴ・オーデカーク
Steve Oedekerk
監督
Directed by
トム・シャドヤック
Tom Shadyac
原作
Based on the book by
「Gesundheit: Good Health Is A Laughing Matter」
"Gesundheit: Good Health Is A Laughing Matter"
ハンター・ドーティ・アダムス(パッチ・アダムス)
Hunter Doherty Adams (Patch Adams)
モーリン・マイランダー
Maureen Mylander

提供
Presents
ユニバーサル映画
Universal Pictures
製作
Production
ブルー・ウルフ
Blue Wolf
ファレル/ミノフ
Farrell/Minoff
バンガロウ78
Bungalow 78